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新入社員のメンタルヘルス対策|入社1年目のストレスと支援方法

新入社員のメンタルヘルス対策を徹底解説。厚労省統計による入社1年目の離職率データ、新入社員が抱えやすいストレス要因、上司・先輩によるラインケア、新入社員自身のセルフケア、ストレスチェックの活用方法まで。早期離職を防ぎ、新入社員が長く生き生きと働くための支援方法を紹介。

新入社員のメンタルヘルス対策|入社1年目のストレスと支援方法

この記事のまとめ

結論(2行で分かる)​ 新入社員は環境変化によるストレスを受けやすく、入社1年目で約1割が離職する。受け入れ側のラインケアと新入社員自身のセルフケア​、そしてストレスチェックの活用が早期離職防止とメンタルヘルス維持の鍵となる。

この記事の対象読者

  • 新入社員を受け入れる上司・先輩社員
  • 新入社員研修を企画する人事・総務担当者
  • 入社1年目でストレスを感じている新入社員
  • 若年労働者のメンタルヘルス対策を検討する衛生管理者

ポイント(新入社員メンタルヘルス対策の3本柱)​

  1. 受け入れ側のラインケア: 「いつもと違う」変化への気付きと声かけ
  2. 新入社員のセルフケア: ストレスへの気付きと3つのR(レスト・レクリエーション・リラックス)
  3. ストレスチェックの活用: 客観的な自己理解と早期対処のきっかけ

よくある誤解3つ

  • 誤解1: 新入社員のストレスは甘え → 実際は環境変化による自然な反応。適切な支援が必要
  • 誤解2: 本人が相談してこないなら大丈夫 → 実際は相談できない新入社員も多い。上司からの声かけが重要
  • 誤解3: 入社時研修だけで十分 → 実際は入社後も継続的なフォローが必要。特に3〜6ヶ月目が要注意

根拠: 厚生労働省「新規学卒就職者の離職状況」、こころの耳「新入社員の方のためのセルフケア基礎知識」「若年労働者へのメンタルヘルス対策」

新入社員のメンタルヘルス 早見表

項目内容
入社1年目の離職率大卒約12%、高卒約17%(厚労省統計)
入社3年以内の離職率大卒33.8%、高卒37.9%(令和4年3月卒)
主なストレス要因環境変化、人間関係、業務内容とのギャップ
対策の3本柱ラインケア、セルフケア、ストレスチェック活用
要注意時期入社後3〜6ヶ月(五月病・六月病)

新入社員はどんなストレスを抱えやすい?

環境変化によるストレス

厚生労働省「こころの耳」では、​​「学生から社会人になった」というのは環境の大きな変化であり、新入社員はこれまでにないストレスを感じる時期であると説明しています。

変化の種類具体例
立場の変化学費を払う学生 → 給料をもらう社会人
生活リズムの変化自由な時間割 → 決まった勤務時間
人間関係の変化同世代中心 → 幅広い年齢層との関わり
責任の変化自己責任 → 組織としての責任
居住環境の変化実家・学生寮 → 単身生活(配属による)

どんな人でも新しい環境に慣れるのには時間とエネルギー​を必要とします。新入社員のストレスは「甘え」ではなく、環境適応に伴う自然な反応です。

新入社員に多いストレス要因

「こころの耳」で紹介されている新入社員に多いストレス要因は以下の通りです。

ストレス要因内容
リアリティショック入社前のイメージと現実のギャップ
業務への不安仕事が覚えられない、ミスへの恐れ
人間関係上司・先輩とのコミュニケーション
評価への不安周囲からどう見られているか
将来への不安キャリアパスが見えない
対人関係スキル不足社会人としてのコミュニケーション経験の少なさ

リアリティショックとは

リアリティショックとは、​入社前に抱いていたイメージと現実とのギャップによって生じる心理的なショックです。

「こころの耳」の事例では、志望していた部署に配属されず、期待していた仕事と異なる業務に従事することになった新入社員が、意欲低下や出社困難感に陥ったケースが紹介されています。

リアリティショックの具体例:

  • 希望部署に配属されなかった
  • 思っていた仕事内容と違った
  • 職場の雰囲気がイメージと異なった
  • 同期と比較して自分だけ取り残されている気がする

若年労働者特有の課題

「こころの耳」では、若年労働者特有の課題として以下を挙げています。

課題背景
対人関係経験の不足SNS・ネット交流中心の環境で育ち、対面コミュニケーションの経験が少ない
自己管理の難しさフレックス制や在宅勤務で自己管理が求められるが、経験不足で長時間労働になりやすい
ストレス対処法を知らない社会人としてのストレス対処法を学ぶ機会がなかった

入社1年目の離職率はどのくらい?

厚生労働省の統計

厚生労働省「新規学卒就職者の離職状況」によると、入社後の離職率は以下の通りです。

令和4年3月卒業者の3年以内離職率

学歴3年以内離職率前年比
高卒37.9%0.5ポイント低下
大卒33.8%1.1ポイント低下

​「3年3割問題」​:新卒で入社した社員のうち、3年以内に約3割が離職するという現象は長年続いており、企業にとって大きな課題となっています。

年次別の離職率(大卒の場合)​

年次離職率
1年目約12%
2年目約12%
3年目約10%

入社1年目で約1割が離職しており、各年次でほぼ同程度の離職が発生しています。

企業規模別の傾向

企業規模3年以内離職率(大卒)
1,000人以上26.1%
100〜499人33.2%
30〜99人41.1%
5〜29人52.0%

企業規模が大きいほど離職率が低い傾向にあります。これは、研修制度や受け入れ体制の充実度が関係していると考えられます。

離職理由の傾向

新入社員の離職理由として多いものは以下の通りです。

離職理由割合
過労・ストレス上位
業務内容のミスマッチ上位
将来への不安上位
人間関係上位

上司・先輩はどう対応すべき?

ラインケアの重要性

新入社員のメンタルヘルス対策において、​上司・先輩によるラインケアは極めて重要です。厚生労働省「労働者の心の健康の保持増進のための指針」では、管理監督者が「いつもと違う」部下に早く気付くことの重要性を強調しています。

新入社員は「相談していいのかわからない」「迷惑をかけたくない」と考え、自分から相談できないケースが多くあります。​上司・先輩からの声かけが重要です。

「いつもと違う」サインを見逃さない

新入社員に見られる「いつもと違う」サインには以下のようなものがあります。

カテゴリ具体的なサイン
勤怠遅刻・早退が増える、欠勤が続く
業務ミスが増える、仕事の効率が落ちる、報連相がなくなる
態度元気がない、表情が暗い、口数が減る
対人関係同僚との会話が減る、孤立している
身だしなみ服装が乱れる、清潔感がなくなる

効果的な声かけと傾聴

「こころの耳」では、​傾聴を基本とした相談対応を推奨しています。

声かけの例:

  • 「最近どう?何か困っていることはない?」
  • 「慣れない環境で大変だと思うけど、何かあったら相談してね」
  • 「この仕事、分からないことがあったらいつでも聞いてね」

傾聴のポイント:

ポイント内容
環境を整える周囲に聞こえない場所で話す
最後まで聴く話を遮らず、まずは聴く
否定しない「気にしすぎ」「甘え」と決めつけない
共感を示すうなずき、相槌で関心を伝える
確認する「〇〇ということで合っている?」と確認

受け入れ体制の整備

新入社員を受け入れる際の体制整備のポイントは以下の通りです。

項目内容
メンター制度相談しやすい先輩を配置
定期面談1on1ミーティングを定期的に実施
業務量の調整最初は無理のない業務量から
段階的な育成小さな成功体験を積み重ねる
相談窓口の周知困ったときの相談先を明確に

避けるべき対応:

  • 「自分で考えろ」と放置する
  • 最初から高い目標を課す
  • 失敗を厳しく叱責する
  • 他の新入社員と比較する
  • 相談を軽視する


新入社員自身ができるセルフケアとは?

セルフケアとは

セルフケアとは、​自分のストレスに気付き、予防対処することです。厚生労働省「こころの耳」では、新入社員が長く生き生きと働き続けるために、セルフケアの基礎知識を身につけることを推奨しています。

ストレスへの気づき

ストレスを感じていると、心身にさまざまな反応が現れます。自分のストレスサインを知ることがセルフケアの第一歩です。

反応の種類具体的なサイン
身体面肩こり、頭痛、胃腸の不調、不眠、食欲変化
心理面イライラ、不安、落ち込み、集中力低下
行動面ミスの増加、遅刻、効率低下

「いつもと違う」感覚を見逃さないことが大切です。「最近、朝起きるのがつらい」「休日も気分が晴れない」などの変化に気付いたら、早めに対処しましょう。

3つのR:基本のストレス対処法

「こころの耳」では、ストレス対処の基本として3つのRを推奨しています。

R意味具体例
Rest(レスト)​休息・休養・睡眠十分な睡眠、休憩、有給休暇の取得
Recreation(レクリエーション)​趣味娯楽・気分転換運動、旅行、趣味活動
Relax(リラックス)​リラクセーションストレッチ、深呼吸、音楽鑑賞

生活習慣の整え方

「こころの耳」では、​こころとからだは密接に関連しているとし、からだを元気にすることでこころも元気になると説明しています。

睡眠のポイント

  • 毎日同じ時間に起床する
  • 就寝前のスマホ・カフェインを控える
  • 休日の寝だめは避ける

食事のポイント

  • 朝食を抜かない
  • バランスの良い食事を心がける
  • 過度な飲酒を避ける

運動のポイント

  • 通勤時に歩く機会を増やす
  • 休日に軽い運動を取り入れる
  • 無理のない範囲で継続する

相談することの大切さ

「こころの耳」では、困ったときは一人で抱え込まず、​相談することの重要性を強調しています。

相談先の例:

  • 上司・先輩
  • 同期の仲間
  • 家族・友人
  • 社内相談窓口
  • 産業医・保健師
  • 外部相談窓口(こころの耳など)

「こんなことで相談していいのか」と思う必要はありません。早めの相談が早期解決につながります。


ストレスチェックをどう活用する?

ストレスチェックとは

労働安全衛生法に基づき、常時50人以上の労働者を使用する事業場では、年1回のストレスチェック実施が義務付けられています。新入社員も対象となります。

新入社員がストレスチェックを活用するメリット

メリット内容
自己理解自分のストレス状態を客観的に把握できる
気づきのきっかけ「なんとなくつらい」を数値で確認できる
対処の動機づけ結果を見て対処しようと思える
面接指導の機会高ストレス者は医師面談を申し出られる

ストレスチェックの結果は本人のみに通知されます。本人の同意がない限り、会社に知られることはありません。安心して正直に回答してください。

「こころの耳」のセルフチェック

「こころの耳」では、​5分でできる職場のストレスセルフチェックを無料で提供しています。

評価項目内容
仕事のストレス要因仕事の量、質、裁量度
心身のストレス反応活気、イライラ、疲労、不安
周囲のサポート上司・同僚・家族からの支援
満足度仕事や生活への満足度

定期的にセルフチェックを行うことで、自分のストレス状態の変化に気付くことができます。


特に注意が必要な時期はいつ?

五月病・六月病

入社後3〜6ヶ月は特に注意が必要な時期です。

時期特徴対策
入社直後緊張感が高い声かけ、フォロー体制
1〜2ヶ月緊張が続き疲労蓄積業務量の調整
3〜6ヶ月五月病・六月病定期面談、相談促進
6ヶ月〜1年業務増加、責任増段階的な育成

入社当初の緊張感が解け、疲労が蓄積する5〜6月は特に要注意です。「最近、元気がない」「ミスが増えた」などの変化がないか、注意深く観察しましょう。

異動・配置転換時の注意

「こころの耳」では、​入社時や異動のタイミングなど、ストレスを感じやすいタイミングでのセルフケア研修を推奨しています。

新入社員の配属先決定後も、適応状況を継続的にフォローすることが重要です。


会社として何をすべき?

新入社員向け研修

入社時のメンタルヘルス研修で伝えるべき内容は以下の通りです。

項目内容
ストレスの基礎知識ストレスとは何か、ストレス反応
セルフケアの方法3つのR、生活習慣の整え方
相談窓口の周知社内外の相談先の紹介
ストレスチェックの説明目的、受け方、プライバシー保護

「こころの耳」では、新入社員向け研修で配布できるリーフレット「新入社員の方のためのセルフケア基礎知識」​​(PDF)を無料で提供しています。

管理監督者向け研修

新入社員を受け入れる管理監督者には、以下の研修が必要です。

項目内容
若年労働者の特性理解世代特性、コミュニケーションスタイル
ラインケアの基本「いつもと違う」への気付き、傾聴
適切な対応方法やるべきこと・やってはいけないこと
専門家への連携産業医・保健師への相談タイミング

家族との連携

「こころの耳」では、若年労働者への支援として家族との連携の重要性も指摘しています。

  • 同居・単身を問わず、家族も利用できる相談体制の構築
  • 社内報や健康保険組合広報を通じた情報提供
  • 必要に応じて家族への連絡体制の整備

専門家に相談すべきタイミングは?

こんな症状が続いたら要注意

以下のような症状が2週間以上続く場合は、専門家への相談を検討してください。

  • 気分が落ち込む、憂うつ
  • 何をしても楽しくない
  • 眠れない、または眠りすぎる
  • 食欲がない、または食べすぎる
  • 疲れやすい、体がだるい
  • 集中できない
  • 自分を責める

相談窓口

相談先特徴
社内相談窓口職場の状況を理解している
産業医・保健師専門的なアドバイスが受けられる
こころの耳相談窓口無料で電話・SNS・メール相談可能
医療機関診断・治療が必要な場合

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ミニ用語集

用語意味
セルフケア労働者が自らのストレスに気付き、予防対処すること
ラインケア管理監督者が職場環境改善と部下の相談対応を行うケア
リアリティショック入社前のイメージと現実のギャップによる心理的ショック
3つのRレスト(休息)・レクリエーション(気分転換)・リラックスの総称
ストレスチェック労働者のストレス状態を把握するための検査
4つのケアセルフケア、ラインケア、事業場内スタッフによるケア、事業場外資源によるケア

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  • スマートフォン・PC・タブレット対応
  • いつでもどこでも受検可能
  • 5〜10分で回答完了

プライバシー保護

  • 個人結果は本人のみに通知
  • 本人の同意なく事業者に共有されない
  • 新入社員も安心して正直に回答できる

よくある質問

A. 厚生労働省の統計によると、大卒新入社員の入社1年目の離職率は約12%、高卒では約17%です。入社3年以内では大卒33.8%、高卒37.9%が離職しています(令和4年3月卒業者)。

A. 主なストレス要因は、環境変化(学生から社会人への移行)、リアリティショック(入社前イメージと現実のギャップ)、人間関係(上司・先輩とのコミュニケーション)、業務への不安(仕事が覚えられない、ミスへの恐れ)などです。

A. 「いつもと違う」変化(遅刻増加、元気がない、ミスが増えるなど)に早く気付き、声をかけて話を聴くことが重要です。否定せず傾聴し、必要に応じて産業医等の専門家につなぎましょう。

A. 自分のストレスサインに気付くこと、3つのR(レスト・レクリエーション・リラックス)を実践すること、睡眠・食事・運動の生活習慣を整えること、困ったら相談することが大切です。

A. 入社後3〜6ヶ月頃に、緊張感が解けて疲労が蓄積し、意欲低下や心身の不調が現れる状態です。この時期は特に注意が必要で、定期的な面談や声かけによるフォローが重要です。

A. いいえ。ストレスチェックの結果は本人のみに通知されます。本人の同意がない限り、会社に知られることはありません。新入社員も安心して正直に回答してください。

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