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制度・法令|

ストレスチェックの法的義務と罰則|未実施の場合どうなる?

ストレスチェック制度の法的義務と罰則を徹底解説。常時50人以上の事業場は年1回の実施と労基署報告が義務。報告義務違反は50万円以下の罰金対象。50人未満の事業場も2028年頃に義務化予定。法令根拠から準備すべきことまで網羅。

ストレスチェックの法的義務と罰則|未実施の場合どうなる?

この記事のまとめ

結論(2行で分かる)​ 常時50人以上の事業場はストレスチェック実施と労基署報告が法的義務​。報告しなければ50万円以下の罰金対象。50人未満も2028年頃に義務化予定。

この記事の対象読者

  • ストレスチェック制度の法的義務を正確に理解したい人事・総務担当者
  • 未実施・報告漏れのリスクを把握したい経営者・衛生管理者
  • 50人未満義務化に備えて準備を始めたい小規模事業場の担当者

ポイント(3点)​

  1. 実施義務: 常時50人以上の事業場は年1回のストレスチェック実施が法律義務(労働安全衛生法第66条の10)
  2. 報告義務: 実施後は労働基準監督署への報告が必須。未報告は50万円以下の罰金(同法第120条第5号)
  3. 義務化拡大: 50人未満の事業場は現在努力義務だが、2025年5月公布の改正法により2028年頃に義務化予定

よくある誤解3つ

  • 誤解1: 未実施でも罰則はない → 報告義務違反は50万円以下の罰金対象
  • 誤解2: 50人未満は関係ない → 2028年頃に義務化予定、今から準備が必要
  • 誤解3: 実施すれば報告不要 → 受検者0人でも報告書提出義務あり

根拠: 労働安全衛生法第66条の10、同法第100条、同法第120条、労働安全衛生規則第52条の21


数字・期限 早見表

項目内容
実施義務対象常時50人以上の労働者を使用する事業場
実施頻度年1回以上
報告義務50人以上の事業場は労基署への報告必須
報告期限1年以内ごとに1回​(前回から1年以内)
未報告の罰則50万円以下の罰金​(労働安全衛生法第120条第5号)
結果保存期間5年間
50人未満義務化2028年頃​(2025年5月公布の改正法により決定)

ストレスチェックの法的義務とは何か?

どの法律に基づく義務か?

ストレスチェック制度は労働安全衛生法第66条の10に規定されています。2015年12月1日に施行され、事業者は労働者に対して「心理的な負担の程度を把握するための検査」を実施することが義務付けられました。

労働安全衛生法 第66条の10(条文要旨)​

事業者は、労働者に対し、厚生労働省令で定めるところにより、医師、保健師その他の厚生労働省令で定める者による心理的な負担の程度を把握するための検査を行わなければならない。

(参照: e-Gov法令検索「労働安全衛生法」)

実施義務の対象は誰か?

事業場規模義務の内容
常時50人以上実施義務​(毎年1回以上の実施が必須)
常時50人未満努力義務​(2028年頃に義務化予定)

​「事業場」とは?

企業全体ではなく、​工場、支店、営業所など拠点単位を指します。本社300人、支店40人の企業の場合、本社は義務対象、支店は努力義務となります。

「常時50人」のカウント方法は?

以下の労働者を含めてカウントします。

  • 正社員
  • 契約社員(1年以上の雇用見込み)
  • パートタイマー(週所定労働時間が正社員の3/4以上)
  • 派遣労働者(派遣先でのカウント時)

繁忙期だけ50人を超える場合は、​通常の状態で判断します。


未実施の場合の罰則はあるか?

ストレスチェック自体を実施しなかった場合は?

ストレスチェックを実施しなかった場合の直接的な罰則規定はありません。​

ただし、以下のリスクがあります。

リスク内容
報告義務違反未実施でも報告書の提出義務があり、未報告は50万円以下の罰金
安全配慮義務違反従業員がメンタルヘルス不調になった場合、民事上の損害賠償責任を問われる可能性
行政指導労働基準監督署から是正勧告を受ける可能性

重要: 未実施でも報告書提出は必須

ストレスチェックを実施しなかった場合も、労働安全衛生法第100条及び労働安全衛生規則第52条の21の規定に基づき、報告書を所轄の労働基準監督署長に提出する義務があります。報告書を提出しなかった場合は罰則の対象となります。

(参照: こころの耳「ストレスチェック制度関係Q&A」Q19-6)

報告義務を怠った場合の罰則は?

労働安全衛生法第120条第5号により、50万円以下の罰金が科される可能性があります。

条項内容
労働安全衛生法第100条報告義務の根拠
労働安全衛生規則第52条の21報告書(様式第6号の2)の提出義務
労働安全衛生法第120条第5号報告義務違反への罰則(50万円以下の罰金)

労働安全衛生法 第120条(条文要旨)​

次の各号のいずれかに該当する者は、五十万円以下の罰金に処する。 (中略) 第5号 第100条第1項又は第3項の規定による報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又は出頭しなかつた者

(参照: e-Gov法令検索「労働安全衛生法」)


労働基準監督署への報告義務とは?

何を報告するのか?

報告書(様式第6号の2「心理的な負担の程度を把握するための検査結果等報告書」)に以下を記載して提出します。

項目内容
検査を実施した年月ストレスチェック実施年月
在籍労働者数実施月末日現在の常時使用労働者数
検査を受けた労働者数受検者数
面接指導を受けた労働者数面接指導実施人数
集団分析の実施有無実施した/しなかった
検査を実施した者医師・保健師等の種別
産業医選任している産業医の氏名

報告期限はいつか?

​「1年以内ごとに1回」​と定められています。具体的な日付の締切はありませんが、前回の報告から1年以内に提出する必要があります。

報告しなかった場合は?

報告書を提出しなかった場合、​労働安全衛生法第120条第5号により罰則の対象となります。

受検者が0人でも報告必須

ストレスチェックを実施したにもかかわらず受検者がいなかった場合でも、報告書を提出する義務があります。「検査を受けた労働者数」欄に「0」と記入して提出してください。

(参照: こころの耳「ストレスチェック制度関係Q&A」Q19-6)


50人未満の事業場の努力義務とは?

現在の位置づけは?

常時使用する労働者が50人未満の事業場については、現時点では努力義務とされています。実施しなくても罰則はありませんが、厚生労働省は実施を推奨しています。

努力義務とは?

法的な強制力はないものの、「努めなければならない」として実施を推奨される義務のことです。50人未満の事業場も、可能な限りストレスチェックを実施することが望ましいとされています。

50人未満の事業場への支援制度は?

支援制度内容
地域産業保健センター​無料で産業保健サービス(面接指導、健康相談)を提供
産業保健総合支援センター​ストレスチェック実施に関する相談・支援
小規模事業場産業医活動助成金産業医活動の費用を一部助成(条件あり)

50人未満の義務化はいつから?(2028年予定)

改正法の内容は?

2025年5月14日に公布された​「労働安全衛生法及び作業環境測定法の一部を改正する法律」​により、50人未満事業場へのストレスチェック義務拡大が正式に決定しました。

項目内容
改正法公布日2025年5月14日
施行期限公布後3年以内(最遅2028年5月14日)
対象事業場常時使用する労働者50人未満のすべての事業場

なぜ義務化が拡大されるのか?

義務化拡大の背景には、​小規模事業場における実施率の低さがあります。

事業場規模実施率
50人以上の事業場約80%以上
50人未満の事業場約30%台

精神障害の労災支給決定件数が増加傾向にあり、小規模事業場においても多数発生していることから、事業場規模にかかわらずメンタルヘルス対策が求められています。

今から何を準備すべきか?

施行日確定前でも着手可能な準備項目があります。

  1. 実施体制の検討: 実施者(医師・保健師等)の確保方法を検討
  2. 外部委託先の選定: サービス事業者の比較・検討
  3. 面接指導の受け皿確保: 地域産業保健センターの活用を検討
  4. 社内規程の策定: ストレスチェック実施規程の準備
  5. 従業員への周知準備: 制度の目的・プライバシー保護の説明資料作成

早めの準備がおすすめ

義務化直前になると、外部委託先の選定競争が激化し、希望するサービスを選べなくなる可能性があります。今から準備を進めることで、自社に最適なサービスを余裕を持って選定できます。


法令準拠のストレスチェックを効率的に実施するには?

システム活用のメリット

法令準拠のストレスチェックを確実に実施するには、専用システムの活用が効果的です。

作業内容手作業システム活用
調査票の配布・回収メール送付・督促を手動URL配布のみ、自動リマインド
高ストレス判定判定式を手動計算厚労省基準で自動判定
個人結果通知PDF作成・個別送付システムから自動通知
労基署報告書様式に手入力自動作成・ダウンロード

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法令準拠のポイント

  • 厚生労働省推奨の調査票: 57項目・80項目・120項目・141項目に対応
  • 高ストレス者の自動判定: 厚労省基準に基づく正確な判定
  • 結果の本人通知: 実施者から本人への直接通知に対応
  • 記録の5年間保存: 法定保存期間に対応したデータ管理
  • 労基署報告書の自動作成: 様式第6号の2をワンクリックで出力

運用サポート

  • 実施者・産業医の権限分離: 法令に基づくアクセス制御
  • 監査ログの保存: 全操作履歴を記録
  • 12カ国語対応: 外国人従業員も受検可能(追加料金なし)

料金体系

  • 基本料金0円、ストレスチェック500円/回答
  • 労基署報告書出力機能は基本料金に含む


ミニ用語集

用語意味
ストレスチェック労働者の心理的負担の程度を把握するための検査(労働安全衛生法第66条の10)
常時使用する労働者継続して雇用される労働者。正社員のほか、一定条件を満たすパート・契約社員を含む
様式第6号の2ストレスチェック結果を労働基準監督署へ報告する際の報告書様式
実施者ストレスチェックを実施する医師・保健師等の有資格者
努力義務法的強制力はないが、実施を推奨される義務
一次予防メンタルヘルス不調を未然に防ぐための取り組み

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よくある質問

A. ストレスチェック自体を実施しなかった場合の直接的な罰則規定はありません。ただし、50人以上の事業場は未実施でも報告書を提出する義務があり、報告書を提出しなかった場合は50万円以下の罰金の対象となります(労働安全衛生法第120条第5号)。

A. 「1年以内ごとに1回」と定められています。具体的な日付の締切はありませんが、前回の報告から1年以内に提出する必要があります。

A. 現時点では、50人未満の事業場に報告義務はありません。ただし、2025年5月公布の改正法により2028年頃に義務化予定で、報告義務の詳細は政令・省令で確定される見込みです。

A. はい、必要です。ストレスチェックを実施したにもかかわらず受検者がいなかった場合でも、50人以上の事業場は報告書を提出する義務があります。

A. 2025年5月14日に改正法が公布され、施行は「公布後3年以内」と規定されています。最遅でも2028年5月14日までには施行される見込みです。

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