ストレスチェック50人未満義務化はいつ?施行と準備7手順【2026最新】
2025年5月に公布された改正労働安全衛生法により、50人未満事業場のストレスチェックが義務化。施行は公布後3年以内で、最遅2028年5月までに実施される。本記事では施行時期、義務内容(面接指導・記録保存・報告)、7つの準備手順、派遣・複数事業場などの特殊ケースまで網羅的に解説。小規模事業場の人事担当者が今から備えるべきポイントを整理した。

結論(2行で分かる) 50人未満事業場のストレスチェックは、2025年5月14日公布の改正法により義務化が決定。施行は公布後3年以内(最遅2028年5月14日まで)に政令で定める日となる。
この記事の対象読者
- 従業員50人未満の事業場で人事・総務を担当している方
- 義務化に備えて社内稟議・委託先選定を進めたい方
- 小規模事業場のストレスチェック体制構築を検討している方
ポイント(7ステップ)
- 施行日の政令公布を確認する
- 実施体制(実施者・実施事務従事者)を決定する
- 外部委託先を選定・契約する
- 実施規程を策定する
- 従業員への周知・同意取得方法を設計する
- 面接指導の受け皿(産業医等)を確保する
- 記録保存・報告体制を整備する
よくある誤解3つ
- 誤解1: 50人未満は今後も努力義務のまま → 実際は改正法で義務化が確定
- 誤解2: 施行日は2026年に確定している → 実際は「公布後3年以内」で政令待ち
- 誤解3: 50人未満でも労基署への報告が必須になる → 報告義務の詳細は政令・省令で確定
根拠: 労働安全衛生法第66条の10、基発0514第1号(令和7年5月14日付)
数字・期限 早見表
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 改正法公布日 | 2025年5月14日 |
| 施行期限 | 公布後3年以内(最遅2028年5月14日) |
| 対象事業場 | 常時使用する労働者50人未満の事業場 |
| 実施頻度 | 年1回以上(現行制度と同様) |
| 結果保存期間 | 5年間 |
| 面接指導申出期限 | 結果通知後おおむね1か月以内 |
50人未満のストレスチェックはいつから義務になる?
改正法の公布と施行時期はどうなっている?
2025年5月14日に公布された「労働安全衛生法及び作業環境測定法の一部を改正する法律」により、50人未満事業場へのストレスチェック義務拡大が正式に決定した。
これまで労働安全衛生法第66条の10において「常時使用する労働者50人未満の事業場」は適用除外(努力義務)とされていたが、この改正により当該除外規定が削除される。
施行時期のポイント:
- 施行日は「公布日から3年を超えない範囲内において政令で定める日」と規定
- 現時点では具体的な施行日(政令日)は未確定
- 最遅でも2028年5月14日までには施行される
施行日が確定次第、厚生労働省から通達が発出される見込み。政令の公布状況を定期的に確認することを推奨する。
なぜ50人未満にも義務化が拡大されるのか?
義務化拡大の背景には、小規模事業場における実施率の低さがある。厚生労働省の調査によると、50人以上事業場の実施率が80%を超える一方、50人未満事業場では30%台にとどまっている。
ストレスチェック制度は2015年12月に施行され、一次予防(メンタルヘルス不調の未然防止)を目的としている。事業場規模に関わらず、全ての労働者にこの予防機会を提供することが改正の趣旨である。
50人未満で何が変わる(面接指導・記録保存・報告)?
義務化で求められる対応は何か?
50人未満事業場が義務化後に対応すべき主な項目は以下の通り。
必須対応事項:
| 項目 | 内容 | 根拠 |
|---|---|---|
| ストレスチェック実施 | 年1回以上、全従業員を対象 | 安衛法第66条の10 |
| 実施者の確保 | 医師、保健師等の資格者 | 安衛則第52条の10 |
| 結果の本人通知 | 実施者から直接本人へ通知 | 安衛則第52条の12 |
| 面接指導の実施 | 高ストレス者の申出に基づき実施 | 安衛法第66条の10第3項 |
| 記録の保存 | 5年間保存 | 安衛則第52条の13 |
面接指導はどのように実施するのか?
高ストレス者と判定された従業員が面接指導を希望した場合、事業者は医師による面接指導を実施しなければならない。
50人未満事業場は産業医の選任義務がないため、面接指導を担当する医師の確保が課題となる。外部の産業保健サービス機関や地域産業保健センターの活用を検討すること。
面接指導の流れ:
- 高ストレス者への結果通知
- 本人からの面接指導申出(結果通知後おおむね1か月以内)
- 医師による面接指導の実施
- 医師からの意見聴取
- 必要に応じた就業上の措置
労基署への報告義務はどうなるのか?
現行制度では、50人以上事業場のみが労働基準監督署への結果報告(様式第6号の2)を義務付けられている。50人未満事業場については報告義務がない。
義務化後の報告義務については、政令・省令の確定を待つ必要がある。改正施行に合わせて小規模事業場向けの運用が明確化される見込みである。
報告対象となる面接指導人数は「法第66条の10に基づく面接指導の実施人数」であり、通常の産業医面談とは異なる点に注意。
施行までに何を準備すべき(7手順チェックリスト)?
準備の全体像とスケジュールは?
以下の7手順で準備を進めることを推奨する。施行日確定前でも着手可能な項目から順次対応することで、施行時に慌てることなく体制を整備できる。
7手順チェックリスト:
| 手順 | 内容 | 着手可能時期 |
|---|---|---|
| 1 | 施行日の政令公布を確認 | 政令公布後 |
| 2 | 実施体制(実施者・実施事務従事者)の決定 | 今すぐ |
| 3 | 外部委託先の選定・契約 | 今すぐ |
| 4 | 実施規程の策定 | 今すぐ |
| 5 | 従業員への周知・同意取得方法の設計 | 今すぐ |
| 6 | 面接指導の受け皿(産業医等)の確保 | 今すぐ |
| 7 | 記録保存・報告体制の整備 | 施行日確定後 |
手順1: 施行日の政令公布を確認するには?
厚生労働省のウェブサイトや官報で政令の公布状況を確認する。公布後は具体的な施行日が明示されるため、その日から逆算して準備スケジュールを確定させる。
手順2: 実施体制をどう決めるか?
実施者の要件:
- 医師
- 保健師
- 厚生労働大臣が定める研修を修了した看護師・精神保健福祉士
実施事務従事者の要件:
- 人事権を持たない者(人事考課に関与しない者)
50人未満事業場では、これらの有資格者が社内にいないケースが多い。外部委託を前提とした体制設計が現実的である。
手順3: 外部委託先はどう選ぶか?
外部委託先を選定する際の確認ポイント:
- 実施者要件を満たす有資格者がいるか
- 個人情報の取り扱い体制は適切か
- 面接指導まで対応可能か
- 費用体系は明確か(従業員数に応じた料金等)
- サポート体制は充実しているか
地域産業保健センターでは、50人未満事業場向けの無料相談・支援サービスを提供している。まずは相談してみることを推奨する。
手順4: 実施規程には何を定めるか?
実施規程に含めるべき事項:
- ストレスチェックの目的
- 実施体制(実施者、実施事務従事者の氏名・役職)
- 実施時期・頻度
- 使用する調査票
- 高ストレス者の選定基準
- 面接指導の申出方法
- 結果の保存方法・期間
- 情報の取り扱い(守秘義務等)
手順5: 従業員への周知・同意取得はどうするか?
周知すべき内容:
- ストレスチェックの目的と概要
- 受検は労働者の義務ではなく権利であること
- 結果は本人のみに通知されること(本人同意なく事業者には開示されない)
- 不利益取り扱いの禁止
同意取得が必要な場面:
- 個人結果を事業者に提供する場合
- 集団分析結果を特定の目的で使用する場合
手順6: 面接指導の受け皿はどう確保するか?
50人未満事業場では産業医選任義務がないため、以下の方法で面接指導を担当する医師を確保する。
医師確保の選択肢:
| 選択肢 | 概要 | メリット |
|---|---|---|
| 地域産業保健センター | 無料で相談・面接指導を利用可能 | 費用負担なし |
| 産業保健サービス機関 | 外部委託契約で対応 | 専門性が高い |
| かかりつけ医 | 従業員の主治医に依頼 | 既存関係を活用 |
| 嘱託産業医 | 任意で産業医を選任 | 継続的な支援 |
手順7: 記録保存・報告体制はどう整備するか?
記録保存のポイント:
- 保存期間: 5年間
- 保存対象: 個人ごとのストレスチェック結果記録、面接指導結果報告書
- 保存責任者: 実施事務従事者または事業者
- 保存方法: 紙または電磁的記録(セキュリティ確保)
報告義務の詳細は政令・省令の確定後に整備する。
例外・特殊ケースの対応(派遣・複数事業場・パート換算)は?
派遣労働者はどちらが実施するのか?
ストレスチェックの実施義務は派遣元事業者にある。ただし、派遣先も職場環境改善の観点から協力することが望ましい。
派遣労働者に関する取り扱い:
| 項目 | 派遣元 | 派遣先 |
|---|---|---|
| ストレスチェック実施 | 義務 | 努力義務 |
| 面接指導 | 義務 | - |
| 集団分析への含み方 | 派遣元で実施 | 派遣先に含めることも可 |
複数事業場を持つ場合はどう対応するか?
「事業場」単位での取り扱いが求められる。本社で一括して報告することはできず、事業場ごとに管轄の労働基準監督署へ提出する。
「常時使用する労働者数」は事業場ごとにカウントする。本社50人以上・支店10人の場合、本社は義務、支店は(現行は)努力義務となる点に注意。
「常時使用する労働者」の定義は何か?
「常時使用する労働者」には、正社員だけでなく以下も含まれる。
カウント対象:
- 正社員
- 契約社員(1年以上の雇用見込み)
- パートタイマー(週所定労働時間が正社員の3/4以上)
- 派遣労働者(派遣先でのカウント時)
カウント対象外:
- 日雇労働者
- 短期契約者(1年未満で更新なし)
- 週所定労働時間が正社員の3/4未満のパート
兼務・出向者はどう扱うか?
実施主体(誰が実施者か)と報告主体(どの事業場が提出するか)がズレやすいケースである。Q&Aの個別問答に従い、主たる勤務事業場で実施・報告することが基本となる。
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ミニ用語集
| 用語 | 意味 |
|---|---|
| 実施者 | ストレスチェックを実施する医師・保健師等の有資格者 |
| 実施事務従事者 | 実施者を補佐し、調査票の配布・回収等を行う者(人事権を持たない者に限る) |
| 高ストレス者 | ストレスチェック結果で一定の基準を超えた従業員 |
| 面接指導 | 高ストレス者の申出に基づき医師が行う面談・助言 |
| 常時使用する労働者 | 継続して雇用される労働者(カウント基準あり) |
| 地域産業保健センター | 50人未満事業場向けに無料で産業保健サービスを提供する機関 |
MentalMapでストレスチェックを効率化
MentalMapは、50人未満の小規模事業場でも導入しやすいストレスチェックサービスを提供している。
MentalMapの特徴:
- 厚生労働省推奨の調査票に対応: 57項目・80項目・120項目・141項目の全パターンをサポート
- オンライン完結: 従業員はPC・スマートフォンから回答可能
- 自動判定: 高ストレス者の自動判定と結果通知
- 外部委託対応: 実施者要件を満たす体制での運用が可能
- 記録保存機能: 5年間の保存義務に対応した記録管理
- リマインドメール: 未回答者への自動リマインド送信
- 多言語対応: 12カ国語に対応し、外国人従業員も受検可能(追加料金なし)
- 面接指導記録: 厚労省様式準拠の面接指導結果報告書を作成可能
義務化を見据えた体制構築を、MentalMapがサポートする。
参考文献・出典
よくある質問
A. 2025年5月14日に改正法が公布され、施行は「公布後3年以内に政令で定める日」と規定されています。最遅でも2028年5月14日までには施行される見込みですが、具体的な施行日は政令の公布を待つ必要があります。
A. 義務化後は、高ストレス者と判定された従業員が面接指導を希望した場合、事業者は医師による面接指導を実施する義務があります。産業医選任義務がない事業場では、地域産業保健センターや外部機関の活用を検討してください。
A. 現行制度では50人未満事業場に報告義務はありません。義務化後の報告義務については、政令・省令の確定を待つ必要があります。施行日確定後に厚生労働省から詳細が示される見込みです。
A. 週所定労働時間が正社員の3/4以上のパートタイマーは「常時使用する労働者」に含まれます。週3/4未満のパート・アルバイトや日雇労働者はカウント対象外です。
A. ストレスチェックの実施義務は派遣元事業者にあります。派遣先は努力義務ですが、職場環境改善の観点から協力することが望ましいとされています。

