ストレスチェック受検率を上げる方法|80%超を達成する5つの施策
ストレスチェック受検率を80%超に上げる5つの施策を解説。全国平均約78%の現状、受検しない理由の分析、経営層メッセージ、プライバシー周知、就業時間内受検、多言語対応、リマインドのベストプラクティスを紹介。

結論(2行で分かる) ストレスチェックの全国平均受検率は約78%。80%超を達成するには「経営層コミット」「プライバシー保護の明確化」「就業時間内受検」「多言語・スマホ対応」「計画的なリマインド」の5施策が有効。
この記事の対象読者
- ストレスチェックの受検率が全国平均を下回っている人事担当者
- 受検率80%以上を目標に掲げている衛生管理者
- 受検率向上の施策を具体的に知りたい経営者・管理職
ポイント(5つの施策)
- 経営層からの明確なメッセージ発信
- プライバシー保護・不利益取扱い禁止の徹底周知
- 就業時間内に受検時間を確保
- 多言語対応・スマホ対応で受検障壁を下げる
- 計画的なリマインド(終了1週間前・前日)
よくある誤解3つ
- 誤解1: 受検は従業員の義務である → 実際は労働者の権利(努力義務)であり強制不可
- 誤解2: 1回案内すれば受検する → 実際は複数回のリマインドが受検率に大きく影響
- 誤解3: 高い受検率は難しい → 実際は適切な施策で80%以上の達成は十分可能
根拠: 厚生労働省「ストレスチェック制度実施マニュアル」「労働安全衛生調査」、こころの耳
受検率の数字早見表
| 項目 | 数値・目安 |
|---|---|
| 全国平均受検率 | 約78%(厚生労働省調査) |
| 集団分析に有効な受検率 | 80%以上推奨 |
| 優良企業の受検率 | 90%以上 |
| 受検率100%達成企業 | 存在するが少数 |
| 集団分析の最小単位 | 10人以上(個人特定回避) |
受検率が低いと集団分析の精度が下がり、職場環境改善に活かしにくくなります。80%以上を目標に設定しましょう。
なぜ受検率が重要か?
ストレスチェックの目的は大きく2つあります。
1. 従業員個人のセルフケア促進
従業員が自身のストレス状態を把握し、必要に応じてセルフケアや専門家への相談につなげます。受検しなければこの機会を逃すことになります。
2. 集団分析による職場環境改善
部署ごとの結果を集計し、職場環境の課題を把握します。受検率が低いと、得られるデータに偏りが生じ、改善施策の精度が下がります。
| 受検率 | 集団分析への影響 | 評価 |
|---|---|---|
| 90%以上 | 高精度なデータが得られる | 優秀 |
| 80〜89% | 概ね信頼できるデータ | 良好 |
| 70〜79% | 一定の偏りがある可能性 | 改善推奨 |
| 70%未満 | データの信頼性に課題 | 要対策 |
全国平均と業界の受検率
全国平均の受検率
厚生労働省の「労働安全衛生調査」によると、ストレスチェックの全国平均受検率は約78%とされています。
| 区分 | 受検率目安 |
|---|---|
| 全事業場平均 | 約78% |
| 大企業(1,000人以上) | 80%以上が多い |
| 中小企業(100〜300人) | 70〜80%程度 |
| 小規模事業場(50〜100人) | バラつきが大きい |
業種・職種による傾向
| 業種・職種 | 受検率傾向 | 理由 |
|---|---|---|
| オフィスワーク中心 | 高め | PCでの受検が容易 |
| 製造業・現場職 | やや低め | PC環境がない、交代勤務 |
| 建設業 | 低め | 現場が分散、外勤が多い |
| 小売・サービス業 | 低め | シフト勤務、パート比率が高い |
| 外国人従業員が多い | 低め | 言語の壁 |
受検率が低い原因は何か?
受検しない従業員の理由を把握することが改善の第一歩です。
従業員が受検しない主な理由
| 理由 | 割合(推定) | 対策カテゴリ |
|---|---|---|
| 結果が会社に知られるのが不安 | 最多 | プライバシー周知 |
| 忙しくて時間がない | 多い | 就業時間内確保 |
| 案内メールを見逃した・忘れた | 多い | リマインド強化 |
| ストレスチェックの必要性を感じない | 一定数 | 経営層メッセージ |
| 日本語が苦手で設問が理解できない | 一定数 | 多言語対応 |
| PCがない・操作が苦手 | 一定数 | スマホ対応 |
| 受検方法が分からない | 一定数 | 分かりやすい案内 |
受検しない理由の分析(厚生労働省資料より)
厚生労働省のストレスチェック制度に関する検討会資料では、受検しない理由として以下が挙げられています。
- プライバシーへの懸念: 結果が上司や人事に知られることへの不安
- 制度への不信感: 本当に匿名性が守られるか疑問
- 必要性の認識不足: 自分はストレスがないから不要という認識
- 手続きの煩雑さ: 受検方法が分かりにくい
受検しない理由の多くは「不安」と「面倒」に起因します。この2つを解消する施策が受検率向上の鍵です。
受検率を上げる5つの施策
施策1: 経営層からの明確なメッセージ発信
なぜ効果的か
経営者や役員からのメッセージがあると、従業員は「会社が本気で取り組んでいる」と認識します。特に「結果は人事評価に使わない」「受検しないことによる不利益はない」というメッセージが重要です。
実践方法
| タイミング | 方法 |
|---|---|
| 受検開始1週間前 | 社長名義のメッセージをメール配信 |
| 受検開始日 | 朝礼・全体会議で口頭案内 |
| 受検期間中 | 社内ポータル・掲示板に掲載 |
メッセージ例
全従業員の皆さまへ
今年もストレスチェックを実施します。
これは皆さん一人ひとりが自分のストレス状態を知り、
健康を守るための大切な機会です。
【お約束】
・結果は本人にのみ通知され、会社が無断で見ることはありません
・受検しても、しなくても、人事評価に一切影響しません
・高ストレスと判定されても不利益な取扱いは一切行いません
安心して受検してください。
皆さんの健康が会社の財産です。
代表取締役 ○○ ○○
施策2: プライバシー保護・不利益取扱い禁止の徹底周知
なぜ効果的か
受検しない最大の理由が「結果が会社に知られる不安」です。法律で守られていることを繰り返し伝えることで、この不安を払拭します。
周知すべき内容
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 結果の守秘 | 結果は本人にのみ通知。本人同意なく事業者に開示されない |
| 不利益取扱い禁止 | 受検拒否・結果を理由とした解雇・降格・配置転換は法律で禁止 |
| 面談申出の保護 | 面談を希望しても不利益な取扱いは禁止 |
周知方法
- 受検案内メールの冒頭に明記
- FAQ形式で「よくある質問」として掲載
- 受検画面の最初に表示
法的根拠: 労働安全衛生法第66条の10第2項、および厚生労働省「ストレスチェック制度実施マニュアル」において、不利益取扱いは明確に禁止されています。
施策3: 就業時間内に受検時間を確保
なぜ効果的か
「忙しくて時間がない」という理由を解消します。業務の一環として位置付けることで、受検率が大幅に向上します。
実践パターン
| パターン | 内容 | メリット |
|---|---|---|
| 一斉受検 | 特定日時に全員が受検 | 漏れがない、進捗管理しやすい |
| 期間内自由受検 | 2週間程度の期間内で各自受検 | 柔軟性が高い |
| 部署単位受検 | 部署ごとに受検日を設定 | 管理職がフォローしやすい |
ポイント
- 受検時間は就業時間として扱い、賃金を支払う(厚労省推奨)
- 「業務の一環」として明示することが重要
- 受検時間は10〜15分程度であることを案内
施策4: 多言語対応・スマホ対応で受検障壁を下げる
なぜ効果的か
外国人従業員や現場職・外勤者など、従来受検しにくかった層へのアプローチが可能になります。
多言語対応
| 課題 | 解決策 |
|---|---|
| 日本語が苦手 | 母国語での受検を可能に |
| 設問の意味が分からない | 正確な翻訳で回答精度向上 |
| 受検をためらう | 言語の壁がなくなり受検率向上 |
スマホ対応
| 課題 | 解決策 |
|---|---|
| PCがない(現場職) | スマホで受検可能 |
| デスクに座る時間がない(外勤) | 移動中・休憩中に受検 |
| PC操作が苦手 | 普段使い慣れたスマホで受検 |
MentalMapは12カ国語対応(日本語、英語、中国語(簡体字・繁体字)、韓国語、ベトナム語、タガログ語、インドネシア語、タイ語、ミャンマー語、ネパール語、ポルトガル語、マレー語)、PC・スマホ・タブレット完全対応です。
施策5: 計画的なリマインド(終了1週間前・前日)
なぜ効果的か
「案内を見逃した」「忘れていた」という理由を解消します。複数回のリマインドは受検率向上に直結します。
リマインドのタイミングと内容
| タイミング | 内容 | ポイント |
|---|---|---|
| 受検開始日 | 初回案内 | 目的・方法・期限・所要時間を明記 |
| 終了1週間前 | 1回目リマインド | 「あと1週間」、受検URLを再掲 |
| 終了前日 | 2回目リマインド | 「明日締切」、緊急性を伝える |
| 終了当日(任意) | 最終リマインド | 「本日〇時締切」 |
リマインドの効果
厚生労働省の調査によると、リマインドを複数回実施している事業場は、1回のみの事業場と比較して平均10%以上受検率が高いとされています。
リマインドメール例(終了1週間前)
件名: 【あと1週間】ストレスチェック受検のお願い
○○さん
ストレスチェックの受検期限まであと1週間です。
まだ受検がお済みでない方は、お早めにお願いします。
■ 受検期限: ○月○日(○)17:00
■ 所要時間: 約10分
■ 受検URL: [URL]
※結果は本人にのみ通知され、会社に無断で開示されることはありません。
※ご不明点は○○までお問い合わせください。
周知・案内のベストプラクティス
効果的な案内のポイント
| 要素 | 悪い例 | 良い例 |
|---|---|---|
| 件名 | 「ストレスチェックについて」 | 「【要受検】ストレスチェック ○/○締切」 |
| 所要時間 | 記載なし | 「約10分で完了」 |
| 期限 | 「今月中」 | 「○月○日(○)17:00まで」 |
| プライバシー | 記載なし | 「結果は本人にのみ通知」と明記 |
| 受検方法 | 「添付ファイル参照」 | URLとQRコードを直接記載 |
複数チャネルでの周知
| チャネル | 対象者 | 効果 |
|---|---|---|
| メール | 全従業員 | 記録に残る、URLクリックで受検 |
| 社内ポータル | PC利用者 | 常に目に入る |
| 朝礼・会議 | 現場職 | 口頭で直接伝達 |
| ポスター・掲示 | 全従業員 | 視覚的なリマインド |
| 上司からの声かけ | 未受検者 | 最も効果的 |
リマインドの効果的なタイミング
推奨スケジュール
| 日程 | アクション | 担当 |
|---|---|---|
| 開始2週間前 | 事前告知(社内ポータル・掲示) | 人事 |
| 開始1週間前 | 経営層メッセージ発信 | 経営者 |
| 開始日 | 初回案内メール送信 | システム自動 |
| 開始3日後 | 受検状況の確認 | 人事 |
| 終了1週間前 | 1回目リマインドメール | システム自動 |
| 終了3日前 | 管理職への声かけ依頼 | 人事→管理職 |
| 終了前日 | 2回目リマインドメール | システム自動 |
| 終了当日 | 最終リマインド(任意) | 人事 |
自動リマインドと手動リマインドの使い分け
| 種類 | メリット | 推奨場面 |
|---|---|---|
| 自動リマインド | 漏れがない、工数がかからない | 定期的なリマインド |
| 手動リマインド | 個別対応が可能、柔軟 | 受検率が低い部署への追加フォロー |
| 上司からの声かけ | 最も効果が高い | 終了直前の未受検者 |
受検を拒否する従業員への対応
受検は労働者の権利(義務ではない)
厚生労働省の指針により、ストレスチェックの受検は労働者の努力義務であり、事業者が強制することはできません。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 事業者の義務 | ストレスチェックを実施すること |
| 労働者の義務 | なし(受検は努力義務) |
| 強制の可否 | 不可(受検を強制してはならない) |
受検を促す適切な方法
| 方法 | 適切か | 理由 |
|---|---|---|
| メリットを説明して促す | ○ | 自発的な受検を促す |
| 不利益取扱い禁止を説明 | ○ | 不安を払拭する |
| 受検を命令する | × | 強制は禁止 |
| 受検しないと評価を下げると言う | × | 不利益取扱いの禁止に抵触 |
| 人事評価に反映すると言う | × | 不利益取扱いの禁止に抵触 |
受検を拒否された場合の対応フロー
- 受検のメリットを再度説明する
- プライバシー保護・不利益取扱い禁止を説明する
- それでも拒否する場合は記録を残す
- 他の相談窓口(産業医、EAP等)を案内する
- 強制はせず、次回の受検を促す
受検しなかったことを理由とする不利益取扱いは法律で禁止されています。解雇、降格、配置転換、人事評価への反映などは違法となります。
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ミニ用語集
| 用語 | 意味 |
|---|---|
| 受検率 | ストレスチェック対象者のうち、実際に受検した人の割合 |
| 集団分析 | 部署・職種単位でストレスチェック結果を集計・分析すること(努力義務) |
| 不利益取扱いの禁止 | 受検拒否や結果を理由とする解雇・降格・配置転換等の禁止 |
| 守秘義務 | 結果は本人にのみ通知され、本人同意なく事業者に開示されないこと |
| 実施者 | ストレスチェックを実施する医師・保健師等 |
| リマインド | 未受検者に対する受検を促す案内 |
MentalMapで受検率向上をサポート
MentalMapは受検率向上のための機能を標準搭載しています。
自動リマインド機能
- 未受検者への自動リマインドメール(終了1週間前・終了前日の2回)
- 受検完了者には送信されない(重複案内なし)
- 追加のリマインドが必要な場合は管理画面から手動送信も可能
12カ国語対応
- 12カ国語に対応(日本語、英語、中国語(簡体字・繁体字)、韓国語、ベトナム語、タガログ語、インドネシア語、タイ語、ミャンマー語、ネパール語、ポルトガル語、マレー語)
- 外国人従業員も母国語で受検可能
- 追加料金なし
スマートフォン完全対応
- PC・スマホ・タブレットに対応
- 現場職・外勤者も受検しやすい
- レスポンシブデザインで操作しやすい
リアルタイム進捗確認
- 受検状況をダッシュボードで確認
- 部署別の受検率を可視化
- 未受検者リストをCSV出力(個別フォローに活用)
参考文献・出典
よくある質問
A. 厚生労働省の労働安全衛生調査によると、ストレスチェックの全国平均受検率は約78%です。集団分析の精度を確保するためには80%以上の受検率が推奨されています。
A. いいえ、従業員のストレスチェック受検は努力義務であり、法的な義務ではありません。受検は労働者の権利であり、事業者が受検を強制することはできません。また、受検しなかったことを理由とする不利益取扱いは法律で禁止されています。
A. 最低でも終了1週間前と終了前日の2回のリマインドが効果的です。MentalMapでは自動リマインド機能として2回の配信を標準搭載しています。さらに受検率を上げたい場合は、管理職からの声かけを併用することが有効です。
A. まず受検のメリットとプライバシー保護について再度説明します。それでも拒否する場合は記録を残し、他の相談窓口(産業医、EAP等)を案内します。ただし、受検の強制や不利益取扱いは法律で禁止されているため、行わないでください。
A. 最も効果的なのは「経営層からのメッセージ発信」と「プライバシー保護の徹底周知」の組み合わせです。受検しない最大の理由である「結果が会社に知られる不安」を払拭することが重要です。また、就業時間内に受検時間を確保することで「忙しい」という理由も解消できます。