ストレスチェック調査票の項目数別比較|57項目・80項目・120項目・141項目の設問内容と尺度の違い
ストレスチェック調査票の項目数別(57・80・120・141項目)の設問内容を詳細比較。BJSQ(20尺度)とNew BJSQ(42〜49尺度)の違い、調査票の選び方を解説。どの項目数でも高ストレス判定基準は同じです。

結論(2行で分かる) 迷ったら120項目版がおすすめ。どの項目数を選んでも高ストレス判定の基準は同じ(57項目の基本尺度で判定)なので、追加設問で職場改善の解像度を上げましょう。
対象読者: これから調査票を選ぶ人事担当者、衛生管理者、産業保健スタッフ
選び方の4ステップ
- 「法定義務を果たすだけ」か「職場改善まで」かを決める
- 回答時間(5分 vs 15分 vs 20分)の許容範囲を確認
- 拡張尺度(エンゲージメント、ハラスメント等)が必要か検討
- 迷ったら120項目版を選択
よくある誤解3つ
- ✗「項目数が多いと高ストレス者が増える」→ ○ 高ストレス判定は57項目で行うので変わらない
- ✗「80項目と120項目は同じ尺度数だから精度も同じ」→ ○ 80項目は短縮版、120項目が標準版
- ✗「57項目で十分」→ ○ 職場改善まで取り組むなら120項目以上の追加尺度が有効
根拠: 厚生労働省「ストレスチェック制度実施マニュアル」、東京大学「新職業性ストレス簡易調査票」
結論早見表—どれを選ぶべきか?
| あなたの状況 | おすすめ |
|---|---|
| 初めて導入する・まずは法令遵守したい | 57項目版 |
| 職場改善のヒントが欲しいが設問数は抑えたい | 80項目版 |
| 迷っている・職場改善に本格的に取り組みたい | 120項目版(推奨) |
| 研究目的・パフォーマンス尺度も測定したい | 141項目版 |
数字・回答時間 早見表
| 項目数 | 尺度数 | 尺度体系 | 回答時間目安 |
|---|---|---|---|
| 57項目 | 20尺度 | BJSQ(基本) | 約5〜10分 |
| 80項目 | 42尺度 | New BJSQ(短縮版) | 約10〜15分 |
| 120項目 | 42尺度 | New BJSQ(標準版) | 約15〜20分 |
| 141項目 | 49尺度 | New BJSQ(フル) | 約20〜25分 |
4種類の調査票とは?何が違うか?
| 調査票 | 設問数 | 尺度数 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| 57項目版 | 57問 | 20尺度 | 厚労省推奨、法的要件を満たす基本構成 |
| 80項目版 | 80問 | 42尺度 | 追加は短縮版。職場改善のヒントを増やす |
| 120項目版 | 120問 | 42尺度 | 追加が標準版。職場環境改善の解像度が高い |
| 141項目版 | 141問 | 49尺度 | フルセット。アウトカムまで含めた詳細分析が可能 |
2つの尺度体系—BJSQとNew BJSQとは?
| 略称 | 正式名称 | 尺度数 | 対応調査票 |
|---|---|---|---|
| BJSQ | 職業性ストレス簡易調査票 | 20尺度 | 57項目版 |
| New BJSQ | 新職業性ストレス簡易調査票 | 42〜49尺度 | 80項目版以上 |
BJSQ = Brief Job Stress Questionnaire。「旧尺度・新尺度」と呼ばれることもありますが、正式にはBJSQ(20尺度)とNew BJSQ(42〜49尺度)です。New BJSQはBJSQを拡張したもので、より詳細な職場環境分析が可能です。
高ストレス判定は項目数で変わらないのか?
変わりません。 高ストレス判定は、厚生労働省が定めた57項目の基本尺度(20尺度)の回答結果のみで行われます。
| 項目 | 57項目版 | 80項目版 | 120項目版 | 141項目版 |
|---|---|---|---|---|
| 高ストレス判定に使用する設問 | 1〜57 | 1〜57 | 1〜57 | 1〜57 |
| 追加設問の用途 | - | 職場分析 | 職場分析 | 職場分析・アウトカム |
「80項目や120項目を選んだら高ストレス者が増える」ことはありません。 追加設問は、集団分析や職場環境改善のための詳細データとして活用されます。判定基準はどの調査票でも同じです。
57項目版の設問構成—どんな質問があるか?
57項目版は、4つのセクション(A〜D)で構成されています。
セクションA: 仕事について(設問1〜17)
| No. | 設問内容 | 基本尺度 |
|---|---|---|
| 1 | 非常にたくさんの仕事をしなければならない | 仕事の量的負担 |
| 2 | 時間内に仕事が処理しきれない | 仕事の量的負担 |
| 3 | 一生懸命働かなければならない | 仕事の量的負担 |
| 4 | かなり注意を集中する必要がある | 仕事の質的負担 |
| 5 | 高度の知識や技術が必要なむずかしい仕事だ | 仕事の質的負担 |
| 6 | 勤務時間中はいつも仕事のことを考えていなければならない | 仕事の質的負担 |
| 7 | からだを大変よく使う仕事だ | 身体的負担度 |
| 8 | 自分のペースで仕事ができる | 仕事のコントロール度 |
| 9 | 自分で仕事の順番・やり方を決めることができる | 仕事のコントロール度 |
| 10 | 職場の仕事の方針に自分の意見を反映できる | 仕事のコントロール度 |
| 11 | 自分の技能や知識を仕事で使うことが少ない | 技能の活用度 |
| 12 | 私の部署内で意見のくい違いがある | 職場での対人関係 |
| 13 | 私の部署と他の部署とはうまが合わない | 職場での対人関係 |
| 14 | 私の職場の雰囲気は友好的である | 職場での対人関係 |
| 15 | 私の職場の作業環境はよくない | 職場環境 |
| 16 | 仕事の内容は自分にあっている | 仕事の適正度 |
| 17 | 働きがいのある仕事だ | 働きがい |
セクションB: 最近1ヶ月の状態(設問18〜46)
| No. | 設問内容 | 基本尺度 |
|---|---|---|
| 18 | 活気がわいてくる | 活気 |
| 19 | 元気がいっぱいだ | 活気 |
| 20 | 生き生きする | 活気 |
| 21 | 怒りを感じる | イライラ感 |
| 22 | 内心腹立たしい | イライラ感 |
| 23 | イライラしている | イライラ感 |
| 24 | ひどく疲れた | 疲労感 |
| 25 | へとへとだ | 疲労感 |
| 26 | だるい | 疲労感 |
| 27 | 気がはりつめている | 不安感 |
| 28 | 不安だ | 不安感 |
| 29 | 落着かない | 不安感 |
| 30 | ゆううつだ | 抑うつ感 |
| 31 | 何をするのも面倒だ | 抑うつ感 |
| 32 | 物事に集中できない | 抑うつ感 |
| 33 | 気分が晴れない | 抑うつ感 |
| 34 | 仕事が手につかない | 抑うつ感 |
| 35 | 悲しいと感じる | 抑うつ感 |
| 36 | めまいがする | 身体愁訴 |
| 37 | 体のふしぶしが痛む | 身体愁訴 |
| 38 | 頭が重かったり頭痛がする | 身体愁訴 |
| 39 | 首筋や肩がこる | 身体愁訴 |
| 40 | 腰が痛い | 身体愁訴 |
| 41 | 目が疲れる | 身体愁訴 |
| 42 | 動悸や息切れがする | 身体愁訴 |
| 43 | 胃腸の具合が悪い | 身体愁訴 |
| 44 | 食欲がない | 身体愁訴 |
| 45 | 便秘や下痢をする | 身体愁訴 |
| 46 | よく眠れない | 身体愁訴 |
セクションC: 周りの方々について(設問47〜55)
| No. | 設問内容 | 基本尺度 |
|---|---|---|
| 47 | 上司はどのくらい気軽に話ができますか | 上司のサポート |
| 48 | 同僚はどのくらい気軽に話ができますか | 同僚のサポート |
| 49 | 配偶者・家族・友人はどのくらい気軽に話ができますか | 家族・友人のサポート |
| 50 | 上司はあなたが困った時、どのくらい頼りになりますか | 上司のサポート |
| 51 | 同僚はあなたが困った時、どのくらい頼りになりますか | 同僚のサポート |
| 52 | 配偶者・家族・友人は困った時、どのくらい頼りになりますか | 家族・友人のサポート |
| 53 | 上司は個人的な問題を相談したら、どのくらい聞いてくれますか | 上司のサポート |
| 54 | 同僚は個人的な問題を相談したら、どのくらい聞いてくれますか | 同僚のサポート |
| 55 | 配偶者・家族・友人は個人的な問題を相談したら聞いてくれますか | 家族・友人のサポート |
セクションD: 満足度(設問56〜57)
| No. | 設問内容 | 基本尺度 |
|---|---|---|
| 56 | 仕事に満足だ | 満足度 |
| 57 | 家庭生活に満足だ | 満足度 |
80項目版以上で追加される設問は何か?
80項目版以上では、セクションE〜Hが追加され、New BJSQ(42〜49尺度)の計算が可能になります。
追加で測定できる主な尺度
| 尺度 | 80項目 | 120項目 | 141項目 | 何が分かるか |
|---|---|---|---|---|
| ワーク・エンゲージメント | ○ | ○ | ○ | 仕事への活力・熱意 |
| 職場のハラスメント | ○ | ○ | ○ | パワハラ・いじめの有無 |
| 職場の一体感 | ○ | ○ | ○ | チームワーク |
| 上司のリーダーシップ | △ | ○ | ○ | 上司のマネジメント力 |
| 公正な人事評価 | △ | ○ | ○ | 評価への納得感 |
| キャリア形成 | ○ | ○ | ○ | 成長機会の有無 |
| 職務の遂行 | - | - | ○ | パフォーマンス |
| 創造性の発揮 | - | - | ○ | イノベーション |
凡例: ○=完全対応、△=一部対応(短縮版)、-=非対応
20尺度(BJSQ基本尺度)の一覧—高ストレス判定に使う尺度
57項目版で計算される20の尺度です。高ストレス判定に使用されます。
領域A: ストレス要因(9尺度)
| 尺度名 | 使用設問 | 内容 |
|---|---|---|
| 仕事の量的負担 | 1, 2, 3 | 仕事量の多さ |
| 仕事の質的負担 | 4, 5, 6 | 仕事の難しさ |
| 身体的負担度 | 7 | 肉体労働の負担 |
| 仕事のコントロール度 | 8, 9, 10 | 仕事の裁量権 |
| 技能の活用度 | 11 | スキルを活かせるか |
| 職場での対人関係 | 12, 13, 14 | 人間関係のストレス |
| 職場環境 | 15 | 物理的環境 |
| 仕事の適正度 | 16 | 仕事との相性 |
| 働きがい | 17 | やりがい |
領域B: 心身のストレス反応(6尺度)
| 尺度名 | 使用設問 | 内容 |
|---|---|---|
| 活気 | 18, 19, 20 | ポジティブな心理状態 |
| イライラ感 | 21, 22, 23 | 怒りの感情 |
| 疲労感 | 24, 25, 26 | 疲れの程度 |
| 不安感 | 27, 28, 29 | 不安の程度 |
| 抑うつ感 | 30〜35 | うつ傾向 |
| 身体愁訴 | 36〜46 | 身体症状 |
領域C: 周囲のサポート(3尺度)と満足度(1尺度)
| 尺度名 | 使用設問 | 内容 | 高ストレス判定 |
|---|---|---|---|
| 上司からのサポート | 47, 50, 53 | 上司の支援 | 使用する |
| 同僚からのサポート | 48, 51, 54 | 同僚の支援 | 使用する |
| 家族・友人からのサポート | 49, 52, 55 | 職場外の支援 | 使用する |
| 満足度 | 56, 57 | 仕事・生活の満足 | 使用しない |
満足度尺度は高ストレス判定には使用されません。 高ストレス判定の「領域C合計」には上司・同僚・家族のサポート(3尺度)のみが使われます。満足度は参考指標として活用されます。
例外・特殊ケース
途中で項目数を変更できるか?
変更は可能ですが、経年比較が難しくなります。 特に57項目から80項目以上に変更した場合、拡張尺度の経年データがないため注意が必要です。
23項目版はあるか?
23項目版(簡易版)も存在しますが、法令で定められた3領域をカバーしていないため、単独での使用は推奨されません。57項目版以上をお勧めします。
80項目と120項目—同じ42尺度なのに違いは?
80項目版は「短縮版」、120項目版が「標準版」です。 80項目版は一部の尺度で設問数が少なく、精度が落ちます。迷ったら120項目版をおすすめします。
ミニ用語集
| 用語 | 意味 |
|---|---|
| BJSQ | Brief Job Stress Questionnaire(職業性ストレス簡易調査票)。57項目版で使用する20尺度の体系 |
| New BJSQ | 新職業性ストレス簡易調査票。80項目版以上で使用する42〜49尺度の拡張体系 |
| 基本尺度 | 高ストレス判定に使用する20尺度。57項目の回答から計算 |
| 拡張尺度 | 職場環境分析に使用する追加尺度。80項目以上で計算可能 |
| 短縮版 | 80項目版の拡張尺度。設問数が少なく一部精度が落ちる |
| 標準版 | 120項目版の拡張尺度。十分な設問数で高精度 |
| フルセット | 141項目版。全49尺度を測定可能 |
まとめ—調査票選びのポイント
| 項目 | 57項目版 | 80項目版 | 120項目版 | 141項目版 |
|---|---|---|---|---|
| 設問数 | 57 | 80 | 120 | 141 |
| 尺度数 | 20 | 42 | 42 | 49 |
| 回答時間 | 5〜10分 | 10〜15分 | 15〜20分 | 20〜25分 |
| 高ストレス判定 | ○ | ○ | ○ | ○ |
| 詳細な職場分析 | △ | ○(短縮版) | ◎(標準版) | ◎(フルセット) |
| エンゲージメント | - | ○ | ○ | ○ |
| ハラスメント | - | ○ | ○ | ○ |
| パフォーマンス尺度 | - | - | - | ○ |
| おすすめ | 初回実施 | 設問数を抑えたい | 迷ったらこれ | 研究・詳細分析 |
押さえるべきポイント
- どの項目数を選んでも高ストレス判定の基準は同じ
- 80項目は短縮版、120項目が標準版—迷ったら120項目
- 拡張尺度(エンゲージメント、ハラスメント等)は80項目以上で測定可能
- 経年比較を考えるなら、最初の選択が重要
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MentalMapは、57項目・80項目・120項目・141項目のすべての調査票に対応しています。BJSQ(20尺度)とNew BJSQ(42〜49尺度)の両方を自動計算し、詳細な分析レポートを提供します。
よくある質問
A. 変更は可能ですが、経年比較が難しくなります。特に57項目から80項目以上に変更した場合、拡張尺度の経年データがないため注意が必要です。
A. 23項目版(簡易版)も存在しますが、法令で定められた3領域をカバーしていないため、単独での使用は推奨されません。57項目版以上をお勧めします。
A. いいえ、変わりません。高ストレス判定は57項目の基本尺度(20尺度)で行われます。80項目以上を使用しても、追加設問は高ストレス判定には使用されません。
A. 57項目版は法的要件を満たす基本構成(20尺度)、120項目版は職場環境改善のための拡張尺度(42尺度)が追加されます。高ストレス判定の精度は同じですが、集団分析の解像度が異なります。
A. BJSQ(Brief Job Stress Questionnaire)は、厚生労働省が推奨する57項目のストレスチェック調査票です。20尺度で構成され、高ストレス判定の基準として使用されます。
A. New BJSQ(NBJSQ)は、BJSQを拡張した調査票です。80項目版で42尺度(短縮版)、120項目版で42尺度(標準版)、141項目版で49尺度(フルセット)が計算できます。職場環境改善や健康経営に活用されます。