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実施手順・運用|

健康経営のはじめ方|中小企業でも取り組める実践ステップと認定取得ガイド

健康経営の基本から、中小企業でも始められる実践ステップ、健康経営優良法人の認定取得方法までを解説。費用をかけずに始められる施策やROIの考え方も紹介します。

健康経営のはじめ方|中小企業でも取り組める実践ステップと認定取得ガイド

この記事のまとめ

結論(2行で分かる)​ 健康経営は0円から始められる​。まずは健康宣言→担当者設置→現状把握→施策実行の4ステップで「取り組んでいる状態」を作り、健康経営優良法人認定を目指す。

対象読者: 健康経営を始めたい中小企業の経営者・人事担当者、認定取得を目指す企業

始め方の5ステップ

  1. 健康宣言を行う(経営者の意思表明)
  2. 推進担当者を決める(人事総務の兼任でOK)
  3. 現状を把握する(健診受診率、ストレスチェック結果など)
  4. 優先課題を1つに絞り、施策を実行する
  5. 効果を検証し、改善を続ける(PDCAサイクル)

よくある誤解3つ

  • ✗「大企業だけの話」→ ○ 中小企業向け認定(ブライト500・ネクストブライト1000)もある
  • ✗「費用がかかる」→ ○ 健康宣言・受診勧奨・残業管理は0円でできる
  • ✗「産業医がいないとできない」→ ○ 地域産業保健センター(無料)を活用可能

根拠: 経済産業省「健康経営優良法人認定制度」、ACTION!健康経営ポータルサイト


数字・スケジュール 早見表

項目数値・期限
健康経営優良法人2025(中小規模)19,796社認定
ブライト500上位500社
ネクストブライト1000501〜1500位の1,000社​(2025年新設)
申請期間(2026認定)2025年8月18日〜10月17日
認定発表2026年3月頃
ストレスチェック義務50人以上の事業場

健康経営とは何か?なぜ注目されている?

健康経営とは、従業員の健康管理を経営的な視点で考え、戦略的に実践することです。​

従業員の健康増進への投資を、将来的な収益性向上につながる「投資」として捉えます。

経済産業省の定義

「従業員等の健康管理を経営的な視点で考え、戦略的に実践すること。企業理念に基づき、従業員等への健康投資を行うことは、従業員の活力向上や生産性の向上等の組織の活性化をもたらし、結果的に業績向上や株価向上につながると期待される。」

なぜ注目されているか?

背景内容
労働力人口の減少人材確保の競争激化、優秀な人材の定着が課題
医療費の増加企業負担の健康保険料の上昇
メンタルヘルス問題うつ病等による休職・離職の増加
働き方改革長時間労働是正、ワークライフバランス重視
ESG投資の拡大投資家が企業の健康経営を評価

健康経営のメリットは何か?

企業にとってのメリット

1. 生産性の向上

従業員の健康状態が改善されると、集中力や創造性が向上し、業務効率が上がります。​プレゼンティーイズム​(出勤しているが体調不良で生産性が低下している状態)の改善効果は特に大きいです。

2. 離職率の低下・採用力の強化

健康経営に取り組む企業は、従業員満足度が高く、離職率が低い傾向があります。就職活動中の学生からの評価も高まります。

3. 医療費の適正化

予防医療への投資により、長期的には医療費(健康保険料の企業負担分)を抑制できます。

4. 企業イメージの向上

健康経営優良法人の認定取得により、対外的な信頼性が向上します。

従業員にとってのメリット

メリット内容
健康意識の向上会社のサポートにより健康管理がしやすくなる
ワークライフバランス改善働きやすい環境が整備される
モチベーション向上会社に大切にされている実感
キャリア形成健康を維持して長く働ける

中小企業向け:最短30日ロードマップ

忙しい人事・総務担当者のために、まず「最短で形にする」ステップを紹介します。

時期やること目安工数
Day 1健康宣言を作成・社内掲示(テンプレートでOK)1-2時間
Week 1推進担当者を決定、産業保健の相談先を確保2-3時間
Week 2現状把握(健診受診率・残業時間・ストレスチェック結果を整理)3-5時間
Week 3優先課題を1つに絞り、施策を開始2-3時間
Week 4KPIと次回アクションを確定、月次レビューの仕組みを設定1-2時間

まずはこの流れで「健康経営に取り組んでいる状態」を作ることが重要です。完璧を目指すより、始めることが大切です。


健康経営優良法人認定制度とは何か?

制度の概要

健康経営優良法人認定制度は、特に優良な健康経営を実践している企業を「見える化」する制度です。経済産業省が設計し、日本健康会議が認定を行います。

認定の種類

認定対象2024年認定数2025年認定数
大規模法人部門(ホワイト500)大企業上位500社500社500社
大規模法人部門大企業2,988社3,400社
中小規模法人部門(ブライト500)​中小企業上位500社500社500社
中小規模法人部門(ネクストブライト1000)​中小企業501〜1500位-1,000社
中小規模法人部門中小企業16,733社19,796社

中小企業は「中小規模法人部門」に申請します。特に優良な上位500社は「ブライト500」、501〜1500位は2025年から新設された「ネクストブライト1000」として認定されます。

認定のメリット

メリット内容
ロゴマークの使用名刺、ウェブサイト、求人票等で使用可
公表・広報経済産業省HPや報道発表で企業名公表
インセンティブ自治体や金融機関の優遇制度
採用力向上学生・求職者へのアピール

実践ステップ—具体的に何をする?

ステップ1: 健康宣言を行う—経営者の意思表明

健康経営の第一歩は、経営者が「健康経営に取り組む」という意思を明確にすることです。

健康宣言の例

当社は、従業員一人ひとりの健康が会社の成長の基盤であると考え、健康経営に取り組むことを宣言します。従業員が心身ともに健康で、いきいきと働ける職場環境の実現を目指します。

協会けんぽや健康保険組合の「健康企業宣言」制度を活用すると、テンプレートが用意されており、申請時にも有利です。

ステップ2: 組織体制を整える—誰が担当する?

健康経営を推進する担当者や部署を決めます。中小企業では人事総務担当者が兼任する形で構いません。

役職役割
経営者健康経営の方針決定、予算承認
推進担当者施策の企画・実行、データ管理
産業医・保健師専門的なアドバイス、面談実施
管理職部門での推進、従業員への声かけ

ステップ3: 現状を把握する—何を見る?

効果的な施策を打つために、まず自社の健康課題を把握します。

項目データソース
健康診断受診率健康診断結果
有所見率健康診断結果
ストレスチェック結果ストレスチェック集団分析
欠勤・休職状況勤怠データ
残業時間勤怠データ
喫煙率アンケート

ステップ4: 課題を設定し、施策を実行する—何から始める?

現状分析の結果から優先度の高い課題を1つに絞り​、具体的な施策を実行します。

課題別の施策例

課題施策例
健康診断受診率が低い受診日の業務調整、受診勧奨メール
高ストレス者が多いストレスチェック後の面談勧奨、職場環境改善
運動不足ウォーキングイベント、スポーツ補助
喫煙率が高い禁煙支援プログラム、敷地内禁煙
長時間労働ノー残業デー、業務効率化

ステップ5: 効果を検証し、改善する—PDCAサイクル

施策の効果を定期的に検証し、PDCAサイクルを回します。

検証指標の例

  • 健康診断受診率の推移
  • 有所見率の推移
  • ストレスチェックの高ストレス者率
  • 欠勤日数・休職者数
  • 従業員満足度調査の結果

認定取得の具体的方法—何をすればよい?

中小規模法人部門の認定要件

必須項目

  1. 健康宣言の社内外への発信
  2. 健康づくり担当者の設置
  3. 定期健康診断受診率(実質100%)
  4. 受診勧奨の取り組み
  5. 50人以上の場合はストレスチェックの実施

選択項目(一定数以上の実施が必要)​

  • 健康増進・過重労働防止に向けた具体的目標の設定
  • 管理職への教育
  • 食生活の改善に向けた取り組み
  • 運動機会の増進に向けた取り組み
  • 女性の健康保持・増進に向けた取り組み
  • 長時間労働者への対応
  • メンタルヘルス不調者への対応
  • 感染症予防対策
  • 喫煙率低下に向けた取り組み

申請の流れ

  1. 協会けんぽ等の健康宣言事業への参加​(前提条件)
  2. ACTION!健康経営への登録​(経済産業省ポータルサイト)
  3. 申請書の作成・提出
  4. 審査・認定​(日本健康会議による審査)

申請スケジュール(2026認定)

時期内容
2025年8月18日申請受付開始
2025年10月17日 17:00申請締切
2026年3月頃認定発表(予定)

費用・工数の目安—いくらかかる?

0円でできる施策

  • 健康宣言の発信(社内掲示・Webサイト掲載)
  • 健康診断の受診勧奨メール
  • 長時間労働の管理徹底(ノー残業デー等)
  • 休憩時間のストレッチ推奨
  • 階段利用の推奨
  • 地域産業保健センターの無料相談活用

外部委託時の費用目安

施策費用目安
ストレスチェック実施1人あたり300〜1,000円程度
産業医面談(スポット)1回あたり1〜3万円程度
健康セミナー・研修1回あたり5〜20万円程度
従業員サーベイツール月額1〜5万円程度

担当者工数の目安

  • 初期準備(健康宣言〜体制構築):10〜20時間程度
  • 月次運用(データ管理・報告):2〜5時間/月
  • 申請書作成(優良法人認定):15〜30時間程度

費用・工数は企業規模や取り組み内容により異なります。まずは0円施策から始め、効果を見ながら投資を拡大するアプローチがおすすめです。


例外・特殊ケース

50人未満の小規模企業でも取り組める?

取り組めます。​ 従業員数に関わらず、健康経営優良法人(中小規模法人部門)に申請できます。むしろ小規模企業のほうが、経営者の意思が従業員に伝わりやすく、施策を実行しやすい面もあります。

産業医がいなくても健康経営に取り組める?

取り組めます。​ 産業医の選任義務がない50人未満の事業場でも、​地域産業保健センター(無料)​や健康保険組合の保健師等を活用できます。

ストレスチェックは必須?

50人以上の事業場では法律で義務​。50人未満は努力義務ですが、健康経営優良法人認定では実施により加点されます。

詳しくは「ストレスチェック制度とは?」をご覧ください。


ミニ用語集

用語意味
健康経営従業員の健康管理を経営的視点で考え、戦略的に実践すること
健康経営優良法人優良な健康経営を実践している企業として認定された法人
ブライト500中小規模法人部門の上位500社に与えられる称号
ネクストブライト1000中小規模法人部門の501〜1500位に与えられる称号(2025年新設)
プレゼンティーイズム出勤しているが体調不良で生産性が低下している状態
アブセンティーイズム病気等による欠勤・休職
地域産業保健センター​50人未満の事業場向けに無料で産業保健サービスを提供する機関

まとめ—健康経営の始め方

押さえるべきポイント

  1. 0円から始められる—健康宣言・受診勧奨・残業管理から
  2. 経営者の意思表明が第一歩—健康宣言を行う
  3. 優先課題を1つに絞る—完璧を目指さず、まず始める
  4. PDCAサイクルを回す—効果を検証し、改善を続ける
  5. 認定取得で対外的なアピール—健康経営優良法人を目指す

健康経営は一朝一夕で成果が出るものではありませんが、継続的に取り組むことで、従業員の健康増進と企業の持続的成長につながります。


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  • これから健康経営に取り組みたい中小企業
  • ストレスチェック義務化に対応したい50人以上の事業場
  • 健康経営優良法人の認定を目指している企業
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よくある質問

A. 0円から始められます。健康宣言の発信、健康診断の受診勧奨、長時間労働管理など費用をかけずにできることから始められます。外部委託する場合、ストレスチェックは1人300〜1,000円程度、産業医面談は1回1〜3万円程度が目安です。

A. 申請できます。従業員数に関わらず健康経営優良法人に申請可能です。むしろ小規模企業は経営者の意思が従業員に伝わりやすく、施策を実行しやすい面もあります。

A. 50人以上の事業場では法律で義務化されています。50人未満は努力義務ですが、健康経営優良法人認定では実施により加点されるため、取り組むことをおすすめします。

A. 取り組めます。産業医の選任義務がない50人未満の事業場では、地域産業保健センター(無料)や健康保険組合の保健師等を活用できます。

A. 中小規模法人部門の場合、2025年8月18日〜2025年10月17日 17:00が申請期間です。認定発表は2026年3月頃の予定です。スケジュールは年度により変わるため、最新情報は経済産業省のウェブサイトで確認してください。

A. ブライト500は中小規模法人部門の上位500社に認定される称号です。ネクストブライト1000は2025年から新設され、501〜1500位の1000社に認定されます。どちらも健康経営の取り組みが特に優れた企業として評価されます。

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