ストレスチェック結果の見方|個人結果の読み方と活用法
ストレスチェックの個人結果の見方を解説。レーダーチャートの読み方、高ストレス判定の意味、結果を受けてのセルフケア方法まで、従業員向けにわかりやすく説明します。

結論(2行で分かる) 個人結果には「ストレス要因」「心身の反応」「周囲のサポート」の3領域が表示され、レーダーチャートは内側(中心)に向かうほどストレスが高い状態。高ストレス判定された場合は、まずセルフケアを心がけ、必要に応じて医師面接を申し出る。
対象読者: ストレスチェックを受検した従業員、結果の見方を知りたい方
この記事で分かること
- 個人結果通知書に含まれる項目
- ストレスプロフィール(レーダーチャート)の見方
- 高ストレス判定の基準と意味
- 結果を受けてのセルフケア方法
- 高ストレスだった場合の対応
よくある誤解3つ
- 誤「高ストレス=病気」→ 正「リスクの目安であり、病気の診断ではない」
- 誤「結果は会社に筒抜け」→ 正「本人の同意がなければ事業者には通知されない」
- 誤「レーダーが大きいほど高ストレス」→ 正「小さく中心に向かうほど高ストレス」
根拠: 厚生労働省「ストレスチェック制度実施マニュアル」、こころの耳ポータルサイト
ストレスチェック結果とは何か?
ストレスチェックの個人結果は、あなた自身のストレス状況を「見える化」したものです。
ストレスチェック制度は、労働安全衛生法第66条の10に基づき、従業員が自分のストレス状態に気づき、セルフケアのきっかけにすることを目的としています。結果は「あなたのストレスプロフィール」として通知され、自分のストレスの特徴を客観的に把握することができます。
結果通知の仕組み
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 通知者 | 実施者(産業医・保健師等)または実施事務従事者 |
| 通知方法 | 紙(封書)または電子データ(本人のみ閲覧可能な形式) |
| 通知時期 | ストレスチェック実施後、遅滞なく |
| 事業者への通知 | 本人の同意がなければ通知されない |
個人結果は厳重に保護されています。 ストレスチェックの結果は、本人の同意なく事業者(会社)に知らされることはありません。安心して正直に回答してください。
個人結果通知書に含まれる項目
ストレスチェックの個人結果には、以下の項目が含まれています。
必須項目(法令で定められた項目)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| ストレスの程度(評価結果) | あなたのストレス状態の総合評価 |
| ストレスプロフィール | ストレスの特徴を数値やグラフで表示 |
| 高ストレス者かどうか | 面接指導の対象となるかの判定結果 |
| 面接指導の案内 | 高ストレス者向けの医師面接指導の申出方法 |
ストレスプロフィールで表示される3領域
厚生労働省が推奨する「職業性ストレス簡易調査票(57項目版)」では、以下の3つの領域でストレス状況が表示されます。
| 領域 | 設問数 | 測定内容 | 例 |
|---|---|---|---|
| A. 仕事のストレス要因 | 17問 | 仕事量、裁量、職場の人間関係など | 「仕事の量が多い」「自分のペースで仕事ができない」 |
| B. 心身のストレス反応 | 29問 | 心身の症状、気分の状態 | 「イライラする」「疲れた」「よく眠れない」 |
| C. 周囲のサポート | 9問 | 上司・同僚・家族からの支援 | 「上司に相談できる」「同僚が頼りになる」 |
「満足度」(問56-57)は判定には使われません。 仕事や生活への満足度を問う2問は、高ストレス判定の計算には含まれませんが、参考情報として結果に表示されます。
ストレスプロフィール(レーダーチャート)の見方
多くのストレスチェックシステムでは、結果を「レーダーチャート」形式で表示します。

上図はMentalMapの結果画面の例です。各項目のスコアは1〜5で表示され、スコアが高いほど良好な状態を示します。
レーダーチャートの基本的な読み方
重要: レーダーチャートは「小さいほど高ストレス」です。
| チャートの形 | ストレス状態 |
|---|---|
| 外側に広がっている | ストレスが低い(良好な状態) |
| 内側(中心)に向かっている | ストレスが高い(注意が必要) |
よくある誤解: 「グラフが大きい=ストレスが大きい」と思いがちですが、逆です。レーダーチャートが中心に向かって小さくなっている部分は、その項目でストレスが高いことを示しています。
各領域の見方
領域A: 仕事のストレス要因(9尺度)
| 尺度 | 中心に近い場合の意味 |
|---|---|
| 心理的な仕事の負担(量) | 仕事量が多くストレスを感じている |
| 心理的な仕事の負担(質) | 難しい仕事でストレスを感じている |
| 自覚的な身体的負担度 | 身体的にきつい仕事だと感じている |
| 職場の対人関係でのストレス | 人間関係にストレスを感じている |
| 職場環境によるストレス | 職場の物理的環境に問題がある |
| 仕事のコントロール度 | 自分のペースで仕事ができていない |
| 技能の活用度 | 自分の能力を活かせていない |
| 仕事の適正度 | 自分に合わない仕事だと感じている |
| 働きがい | 仕事にやりがいを感じられていない |
領域B: 心身のストレス反応
| 尺度 | 中心に近い場合の意味 |
|---|---|
| 活気 | 元気がわかない、やる気が出ない |
| イライラ感 | 怒りやイライラを感じやすい |
| 疲労感 | 疲れやすい、だるさを感じる |
| 不安感 | 不安や緊張を感じやすい |
| 抑うつ感 | 気分が落ち込みやすい |
| 身体愁訴 | 頭痛、肩こり、睡眠障害などがある |
領域C: 周囲のサポート(3尺度)と仕事・生活の満足度(1尺度)
| 尺度 | 中心に近い場合の意味 |
|---|---|
| 上司のサポート | 上司からの支援が得られていない |
| 同僚のサポート | 同僚からの支援が得られていない |
| 家族・友人のサポート | プライベートでの支援が得られていない |
| 仕事・生活の満足度 | 仕事や家庭生活に満足していない(高ストレス判定には使用しない) |
結果の表示形式はシステムによって異なる
結果の表示形式は、使用するストレスチェックシステムによって異なります(レーダーチャート、棒グラフ、数値表示など)。いずれの形式でも、どの領域でストレスが高いかを確認することが重要です。
数値で表示される場合、素点換算表法では点数が低いほど高ストレスを意味します(5点が最も良好、1点が最も高ストレス)。
高ストレス判定の基準と意味
高ストレス者とは?
高ストレス者とは、ストレスチェックで「心身への負担が高い」と判定された労働者です。
高ストレス判定は病気の診断ではなく、メンタルヘルス不調のリスクが高い状態を示す指標です。医師による面接指導を通じて、早期にケアを受けることを推奨するための仕組みです。
判定基準(素点換算表法)
厚生労働省が推奨する「素点換算表法」では、以下の条件で高ストレスと判定されます。
| 条件 | 判定基準 |
|---|---|
| 条件1 | 領域B(心身のストレス反応)の6尺度合計が12点以下 |
| 条件2 | 領域Bが17点以下、かつ領域A+Cの合計が26点以下 |
素点換算表法では「点数が低いほど高ストレス」です。 各尺度を5段階(1〜5点)に換算し、合計点で判定します。1点が「非常に高ストレス」、5点が「ストレスが低い」を意味します。
高ストレス者の割合
厚生労働省の基準では、高ストレス者の割合が概ね10%程度となるよう設計されています。ただし、業種・職場環境によって5〜20%程度まで異なります。
高ストレス判定は病気ではない
| よくある誤解 | 正しい理解 |
|---|---|
| 高ストレス=うつ病 | 高ストレスはリスクの指標であり、病気の診断ではない |
| すぐに病院に行くべき | まずはセルフケアと面接指導の活用を検討 |
| 働けない状態 | 多くの場合、日常業務は継続可能 |
結果を受けてのセルフケア
ストレスチェックの結果を受け取ったら、まずは自分のストレス状況を振り返り、セルフケアに取り組むことが大切です。
セルフケアの4つのステップ
1. 自分の状態に「気づく」
- 結果を見て、どの領域でストレスが高いかを確認する
- 「最近、確かに疲れやすい」など、自分の状態と照らし合わせる
- ストレス反応(体調の変化)が出ていないか振り返る
2. ストレス要因を「把握する」
- 仕事の量・質・人間関係など、何がストレス源になっているかを考える
- プライベートでのストレス要因も確認する
- 一時的なものか、継続的なものかを見極める
3. 対処法を「実践する」
| ストレス対処法 | 具体例 |
|---|---|
| リラクセーション | 深呼吸、ストレッチ、入浴 |
| 運動 | ウォーキング、軽いジョギング |
| 趣味・気分転換 | 好きなことに時間を使う |
| コミュニケーション | 家族・友人と話す、相談する |
| 生活習慣の改善 | 十分な睡眠、バランスの良い食事 |
4. 専門家に「相談する」
- 改善しない場合は、産業医や社内相談窓口に相談
- 外部の相談窓口(こころの耳相談、EAPなど)も活用
こころの耳が提供するセルフケアツール
厚生労働省の「こころの耳」ポータルサイトでは、以下のセルフケアツールを無料で提供しています。
| ツール | 内容 | 所要時間 |
|---|---|---|
| 5分でできる職場のストレスセルフチェック | ストレス状態の簡易チェック | 約5分 |
| eラーニング「15分でわかるセルフケア」 | セルフケアの基礎を学ぶ | 約15分 |
| リラクセーション動画 | 実践的なリラックス法を動画で紹介 | 数分〜 |
「15分でわかるセルフケア」では、以下の6つのテーマを学べます。
- いつもと違う自分に気づこう
- ストレスとは何か
- ストレスとつき合う方法
- 職場のメンタルヘルスケア
- メンタルヘルス不調は予防できる
- 国の施策について
高ストレスだった場合の対応
高ストレスと判定された場合、慌てる必要はありません。以下の対応を順番に検討してください。
対応の流れ
ステップ1: 結果を冷静に受け止める
- 高ストレス=病気ではない
- あくまで「注意が必要」という目安
- まずは自分のストレス状況を振り返る機会と捉える
ステップ2: セルフケアを実践する
- 上記のセルフケア方法を試す
- 生活習慣を見直す(睡眠、食事、運動)
- ストレス発散の時間を意識的に作る
ステップ3: 医師による面接指導を検討する
面接指導は、産業医などの医師が高ストレス者と面談し、心身の状況を確認してアドバイスを行うものです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象者 | 高ストレスと判定され、面接を希望する労働者 |
| 申出方法 | 会社が指定する方法(システム、申請書など) |
| 申出期限 | 結果通知後おおむね1か月以内が望ましい |
| 実施期限 | 申出から1か月以内に会社は面接を実施 |
| 費用 | 無料(会社負担) |
面接指導の申出による不利益取扱いは法律で禁止されています。 「面接を希望したら評価が下がるのでは」という心配は不要です。解雇、降格、配置転換などの不利益な取扱いは、労働安全衛生法で明確に禁止されています。
面接指導で確認される内容
| 確認項目 | 内容 |
|---|---|
| 勤務状況 | 労働時間、業務内容、職場環境 |
| 心理的負担 | ストレスの原因、心身の症状 |
| 心身の状況 | 既往歴、生活習慣、睡眠状況 |
| その他 | 家庭環境、本人の希望 |
面接指導を受けたくない場合
面接指導の申出は任意です。強制されることはありません。ただし、以下の代替手段も検討してください。
| 相談先 | 特徴 |
|---|---|
| 社内相談窓口 | 人事・総務や専任のメンタルヘルス担当者 |
| 外部EAP | 社外の専門家による無料相談(電話・対面) |
| こころの耳電話相談 | 厚生労働省が運営する無料相談窓口 |
| 地域産業保健センター | 50人未満の事業場向け無料相談 |
| かかりつけ医 | 気になる症状があれば医療機関へ |
経年で結果を比較する重要性
ストレスチェックは年1回以上実施されます。1回の結果だけでなく、経年での変化を追うことがセルフケアに役立ちます。
経年比較のポイント
| 確認項目 | 見るべきポイント |
|---|---|
| 全体的な傾向 | ストレス状態は改善傾向か悪化傾向か |
| 特定の領域 | 特に変化が大きい尺度はどこか |
| 生活・仕事との関連 | 異動、業務変更、プライベートの変化との関連 |
| 対策の効果 | セルフケアや環境改善が効果を出しているか |
MentalMapでは、過去の結果との経年比較が可能です。 前回・前々回との変化を可視化し、自分のストレス状態がどう推移しているかを確認できます。改善傾向にあるか、注意が必要な領域が増えていないかを、グラフで直感的に把握できます。
ミニ用語集
| 用語 | 意味 |
|---|---|
| ストレスプロフィール | ストレスの特徴を数値やグラフで表したもの。レーダーチャートや表形式で表示 |
| 高ストレス者 | ストレスチェックで心理的負担が高いと判定された労働者。面接指導の対象 |
| 面接指導 | 高ストレス者が希望した場合に、医師が行う面談。心身の状況を確認しアドバイス |
| 素点換算表 | 回答を5段階評価に変換するための表。点数が低いほど高ストレス |
| セルフケア | 自分の健康は自分で守るという考え方に基づき、ストレス対処を実践すること |
| 実施者 | ストレスチェックを実施する医師・保健師等。結果の管理と面接指導を担当 |
| こころの耳 | 厚生労働省が運営するメンタルヘルスのポータルサイト |
まとめ—ストレスチェック結果を活用するポイント
押さえるべきポイント
- レーダーチャートは「内側=高ストレス」と覚える
- 結果は本人同意なく会社に通知されないので安心して受検
- 高ストレス=病気ではない、リスクの目安として活用
- セルフケアを実践し、必要なら面接指導を申し出る
- 経年で比較することで、自分のストレス傾向を把握
ストレスチェックは「やらされるもの」ではなく、自分の健康を守るためのツールです。結果を活かして、セルフケアに取り組みましょう。
関連記事
- ストレスチェック制度とは? — 制度の概要と実施手順
- 57項目版の採点方法と計算式 — 素点換算表・判定基準を詳しく解説
- 高ストレス者への対応ガイド — 面談の進め方、拒否された場合の対応
- 健康経営のはじめかた — ストレスチェックを活用した健康経営
MentalMapは、ストレスチェック結果を分かりやすく表示し、経年比較も可能なクラウドサービスです。レーダーチャートだけでなく、尺度ごとの詳細な解説や、前回との比較グラフを提供。自分のストレス状態を直感的に理解し、セルフケアに活かすことができます。
参考文献・出典
よくある質問
A. 結果は「ストレスプロフィール」としてレーダーチャートや表で表示されます。レーダーチャートは中心に向かうほど高ストレスです。「仕事のストレス要因」「心身のストレス反応」「周囲のサポート」の3領域でストレス状況を確認できます。
A. 本人の同意がない限り、結果は会社に通知されません。高ストレスかどうかも含めて、実施者(産業医等)と実施事務従事者のみが知り得る情報です。ただし、面接指導を申し出た時点で会社に分かります。
A. 高ストレス判定は病気の診断ではなく、メンタルヘルス不調のリスクが高いことを示す指標です。まずはセルフケアに取り組み、必要に応じて医師による面接指導を申し出てください。
A. 面接指導の申出は労働者の任意であり、拒否しても問題ありません。ただし、社内相談窓口や外部EAP、こころの耳電話相談など、他の相談手段も活用することをおすすめします。
A. レーダーチャートは「小さいほど(中心に向かうほど)高ストレス」です。外側に広がっているほどストレスが低く、良好な状態を示しています。グラフが大きい=高ストレスではないので注意してください。
A. 事業者は、ストレスチェック結果を5年間保存する義務があります。本人の同意を得て事業者に提供された場合、および実施者が保存する場合も同様です。