テレワーク時代のストレスチェック|在宅勤務者への実施方法と注意点
テレワーク従業員へのストレスチェック実施方法を解説。在宅勤務特有のストレス要因、オンラインでの実施手順、面接指導のオンライン対応、80項目版で測定できるテレワーク関連尺度、集団分析のポイントまで。厚労省ガイドラインに基づく職場環境改善策も紹介。

結論(2行で分かる) テレワーク従業員もストレスチェックの対象であり、オンライン完結での実施が可能。在宅勤務特有のストレス(孤立感、コミュニケーション不足)を把握するには、80項目版以上の調査票で「職場の一体感」「上司のサポート」を詳細に分析することが有効。
対象読者
- テレワーク導入企業の人事・総務担当者
- 在宅勤務者のストレスチェック実施方法を知りたい方
- テレワーカーの集団分析・職場改善に取り組みたい方
ポイント(5つ)
- テレワーク従業員もストレスチェック対象(常時50人以上の事業場)
- オンラインでの実施・回答が可能(PC・スマホ対応)
- 面接指導もオンライン(情報通信機器を用いた面談)が認められている
- 80項目版以上で「職場の一体感」「ハラスメント」等のテレワーク関連尺度を測定可能
- 集団分析で在宅勤務者特有の課題を可視化し、職場環境改善につなげる
よくある誤解3つ
- 誤解1:「テレワーク従業員はストレスチェック対象外」→ 対象。勤務形態に関係なく実施義務あり
- 誤解2:「面接指導は対面でないと違法」→ 厚労省通達でオンライン面談も認められている
- 誤解3:「在宅勤務ならストレスは少ない」→ 孤立感・コミュニケーション不足等の特有ストレスがある
根拠: 厚生労働省「テレワークの適切な導入及び実施の推進のためのガイドライン」、「情報通信機器を用いた面接指導の実施について」
テレワークとストレス 数字早見表
| 項目 | 数値・内容 |
|---|---|
| テレワーク実施企業割合 | 約50%(2023年時点、総務省通信利用動向調査・全企業) |
| テレワーク従業員のストレス | 約4割が「コミュニケーション不足」を感じる |
| 在宅勤務の主なストレス要因 | 孤立感、オンオフの切り替え困難、長時間労働 |
| オンライン面接指導 | 2020年11月より厚労省通達で明確化 |
| 80項目版の追加尺度数 | 42尺度(「職場の一体感」等を測定) |
| 集団分析の最小単位 | 10人以上(テレワーカーのみの集計も可能) |
テレワーク従業員もストレスチェック対象?
結論: 対象です
ストレスチェック制度は、常時50人以上の労働者を使用する事業場に実施義務があります。この「労働者」には、テレワーク従業員も含まれます。
| 勤務形態 | ストレスチェック対象 |
|---|---|
| オフィス勤務 | ○ 対象 |
| 完全テレワーク | ○ 対象 |
| ハイブリッド勤務 | ○ 対象 |
| 在宅勤務 | ○ 対象 |
| サテライトオフィス勤務 | ○ 対象 |
厚労省ガイドラインの位置づけ
厚生労働省「テレワークの適切な導入及び実施の推進のためのガイドライン」(2021年3月改定)では、テレワーク実施時のメンタルヘルス対策として、以下を求めています。
- ストレスチェックの適切な実施
- 高ストレス者への面接指導の実施
- メンタルヘルス対策(4つのケア)の推進
テレワークを導入している企業でも、ストレスチェック制度の実施義務は変わりません。むしろ、テレワーク特有のストレス要因を把握するために、積極的な活用が推奨されています。
テレワーク特有のストレス要因とは?
主なストレス要因(厚労省・こころの耳の情報に基づく)
| ストレス要因 | 内容 | 影響 |
|---|---|---|
| コミュニケーション不足 | 雑談・相談機会の減少 | 孤立感、情報不足 |
| 孤立感・孤独感 | 同僚との接点が減少 | メンタルヘルス不調リスク増加 |
| オンオフの切り替え困難 | 仕事と生活の境界があいまい | 長時間労働、疲労蓄積 |
| 長時間労働 | 在宅で歯止めがきかない | 心身の疲弊 |
| 上司のサポート不足 | 対面でのフォローが困難 | 不安感、抑うつ感 |
| 評価への不安 | 成果が見えにくい | ストレス増加 |
| 作業環境の問題 | 自宅の設備・スペース | 身体的負担(肩こり、腰痛等) |
こころの耳の解説
厚生労働省の「こころの耳」ポータルサイトでは、テレワーク時のメンタルヘルス対策として、以下を重点的に解説しています。
- 定期的なコミュニケーションの確保: 1on1ミーティング、チームミーティングの実施
- 労働時間管理の徹底: 始業・終業時刻の明確化、中抜け時間の取り扱い
- 相談窓口の周知: オンラインでも相談できる体制の整備
- セルフケアの推進: ストレスへの気づきと対処法の習得
オンラインでストレスチェックをどう実施する?
オンライン実施のメリット
| メリット | 内容 |
|---|---|
| 場所を問わず受検可能 | 在宅勤務者も自宅から回答 |
| リアルタイム集計 | 回答状況をすぐに把握 |
| 紙の配布・回収が不要 | 管理工数の削減 |
| 多言語対応が容易 | 外国人従業員も母国語で回答 |
| 督促の自動化 | 未回答者へのリマインド |
実施手順(オンライン完結)
| ステップ | 内容 | オンライン対応 |
|---|---|---|
| 1. 実施準備 | 実施計画・周知文書の作成 | メール・イントラで周知 |
| 2. 回答案内 | 従業員へURLを配布 | メールで個別URLを送付 |
| 3. 回答期間 | 従業員がPC・スマホで回答 | 自宅・外出先から回答可 |
| 4. 督促 | 未回答者への案内 | 自動リマインドメール |
| 5. 結果通知 | 本人へ結果をフィードバック | システムで自動通知 |
| 6. 集団分析 | 部署別・属性別の分析 | レポート自動生成 |
| 7. 労基署報告 | 様式第6号の2を提出 | PDF出力・電子申請 |
セキュリティ上の配慮
オンラインでストレスチェックを実施する場合、以下のセキュリティ対策が必要です。
| 対策項目 | 内容 |
|---|---|
| SSL/TLS通信 | 回答データの暗号化 |
| 個人認証 | 本人のみがアクセスできる仕組み |
| アクセス制御 | 実施事務従事者以外のアクセス制限 |
| ログ管理 | 操作履歴の記録・保存 |
| データ保存期間 | 5年間の適切な保管 |
MentalMapはオンライン完結でストレスチェックを実施可能。PC・スマートフォン両対応で、在宅勤務者も場所を問わず回答できます。SSL暗号化通信、厚労省様式準拠のセキュリティ対策を実装しています。
在宅勤務者への面接指導はどう実施する?
オンライン面接指導は認められている
厚生労働省は「情報通信機器を用いた面接指導の実施について」(2020年11月通達)で、ストレスチェック後の面接指導をオンライン(ビデオ通話等)で実施することを明確に認めています。
オンライン面接指導の要件
| 要件 | 内容 |
|---|---|
| 面接指導を行う医師の要件 | 事業場で選任されている産業医または産業保健活動に知見を有する医師 |
| 情報通信機器の要件 | 双方向で映像・音声が確認できること |
| 情報セキュリティ | プライバシーが確保された環境での実施 |
| 事前情報の提供 | 労働者の勤務状況等を事前に医師へ提供 |
| 緊急時対応 | 緊急時に適切な対応ができる体制の確保 |
対面との比較
| 項目 | 対面面接指導 | オンライン面接指導 |
|---|---|---|
| 場所 | 事業場・医療機関 | 自宅・サテライトオフィス |
| 移動時間 | 必要 | 不要 |
| スケジュール調整 | 場所の制約あり | 柔軟に設定可能 |
| 心理的ハードル | やや高い | 比較的低い(自宅環境) |
| 法的有効性 | ○ | ○(厚労省通達で認可) |
オンライン面接指導の実施にあたっては、プライバシーの確保が重要です。 労働者が家族に聞かれたくない内容を話しづらい場合もあるため、可能であれば個室での実施を案内してください。
面接指導申出の促進
テレワーク従業員は、対面のコミュニケーション機会が少ないため、面接指導の申出をためらう傾向があります。以下の工夫で申出を促進できます。
| 施策 | 内容 |
|---|---|
| オンライン対応の明示 | 「ビデオ通話で面談可能」と案内 |
| 所要時間の明示 | 「30分程度で完了」と具体的に説明 |
| 守秘義務の説明 | 結果が人事に知られない旨を強調 |
| 外部相談窓口の案内 | 社内産業医以外の選択肢も提示 |
80項目版でどのようなテレワーク関連尺度を測定できる?
80項目版以上で追加される主な尺度
57項目版では測定できない、テレワーク特有のストレスを把握するための尺度が、80項目版以上に含まれています。
| 尺度名 | 測定内容 | テレワークとの関連 |
|---|---|---|
| 職場の一体感 | チームワーク、連帯感 | 孤立感の把握に有効 |
| 経営層との信頼関係 | 会社への信頼 | リモート下での不安把握 |
| 上司のリーダーシップ | 上司のマネジメント力 | リモートマネジメントの課題発見 |
| 公正な人事評価 | 評価への納得感 | テレワーク下の評価不安 |
| キャリア形成 | 成長機会の有無 | リモートでの育成機会 |
| ワーク・エンゲージメント | 仕事への活力・熱意 | モチベーション低下の把握 |
| 職場のハラスメント | いじめ・パワハラ | オンラインハラスメント |
| 失敗を認める職場 | ミスを許容し学びに変える文化 | リモートでの心理的安全性 |
57項目版との比較
| 項目 | 57項目版 | 80項目版以上 |
|---|---|---|
| 仕事の量的負担 | ○ | ○ |
| 上司のサポート | ○ | ○(詳細化) |
| 同僚のサポート | ○ | ○(詳細化) |
| 職場の一体感 | - | ○ |
| ワーク・エンゲージメント | - | ○ |
| ハラスメント | - | ○ |
| リーダーシップ | - | ○ |
| 公正な人事評価 | - | ○ |
テレワーク従業員のストレスを詳細に把握するには、80項目版以上の使用を推奨します。 特に「職場の一体感」「上司のリーダーシップ」は、リモートワーク環境での課題発見に有効です。
テレワーカーの集団分析はどう行う?
集団分析の切り口
テレワーク従業員の集団分析では、以下の切り口が有効です。
| 分析軸 | 比較内容 | 発見できる課題 |
|---|---|---|
| 勤務形態別 | テレワーク vs オフィス勤務 | テレワーク特有のストレス |
| テレワーク頻度別 | 週5日 vs 週2-3日 vs 週1日以下 | 頻度とストレスの関係 |
| 部署別 | 開発部門 vs 営業部門 vs 管理部門 | 職種によるテレワーク適性 |
| 入社年次別 | 新入社員 vs 中堅 vs ベテラン | OJT機会不足の影響 |
| 管理職 vs 非管理職 | マネージャー vs メンバー | リモートマネジメントの負担 |
着目すべき尺度
| 尺度 | 着目ポイント |
|---|---|
| 上司のサポート | テレワーク従業員で低下していないか |
| 同僚のサポート | チーム内の助け合いが維持されているか |
| 職場の一体感 | 孤立感が生じていないか |
| 仕事のコントロール度 | 自律的に働けているか |
| 活気 | モチベーションが維持されているか |
| 疲労感 | 長時間労働による疲弊がないか |
10人未満の場合の対応
集団分析は原則10人以上の集団で実施しますが、テレワーク従業員が10人未満の場合は以下の対応が考えられます。
| 対応方法 | 内容 |
|---|---|
| 複数部署の統合 | テレワーカーを全社でまとめて分析 |
| 勤務形態の統合 | ハイブリッド勤務者と統合 |
| 全員同意の取得 | 10人未満でも全員同意があれば分析可能 |
| 経年比較に活用 | 今年のデータを来年以降の比較用に蓄積 |
集団分析結果を職場環境改善にどう活用する?
テレワーク環境の改善施策例
| 課題(集団分析結果) | 改善施策 |
|---|---|
| 上司のサポートが低い | 1on1ミーティングの定期実施、管理職研修 |
| 同僚のサポートが低い | オンライン雑談タイム、チームミーティング頻度増 |
| 職場の一体感が低い | バーチャルオフィス導入、全社イベント |
| 仕事のコントロール度が低い | 裁量権の拡大、成果主義への移行支援 |
| 疲労感が高い | 労働時間の見える化、中抜け制度の導入 |
| 活気が低い | キャリア面談、成長機会の提供 |
厚労省ガイドラインに基づく対策
「テレワークの適切な導入及び実施の推進のためのガイドライン」では、メンタルヘルス対策として以下を推奨しています。
-
労働者が上司等に相談しやすい環境の整備
- チャットツールやビデオ会議で気軽に相談できる仕組み
- 定期的な1on1ミーティングの実施
-
コミュニケーションの活性化
- 始業・終業時のオンライン朝礼・夕礼
- 雑談の機会を意図的に設ける
-
労働時間管理の徹底
- 始業・終業時刻の報告義務化
- 時間外労働の事前申請制度
-
メンタルヘルス4つのケアの推進
- セルフケア: ストレスへの気づきと対処法の習得
- ラインによるケア: 管理監督者による部下の観察・相談対応
- 事業場内産業保健スタッフによるケア: 産業医・保健師等による支援
- 事業場外資源によるケア: 外部EAP、専門機関の活用
ミニ用語集
| 用語 | 意味 |
|---|---|
| テレワーク | 情報通信技術を活用した、場所にとらわれない柔軟な働き方(在宅勤務、モバイルワーク、サテライトオフィス勤務等) |
| 情報通信機器を用いた面接指導 | ビデオ通話等を使用したオンライン面接指導。厚労省通達で認められている |
| 職場の一体感 | 80項目版以上で測定できる尺度。チームワーク、連帯感を評価 |
| ワーク・エンゲージメント | 仕事に対する活力、熱意、没頭の度合い。80項目版以上で測定可能 |
| 4つのケア | メンタルヘルス対策の基本枠組み(セルフケア、ラインによるケア、事業場内産業保健スタッフによるケア、事業場外資源によるケア) |
| リモートハラスメント | オンラインコミュニケーションにおけるハラスメント(過度な監視、オンオフを無視した連絡等) |
まとめ—テレワーク時代のストレスチェック要点
押さえるべきポイント
- テレワーク従業員もストレスチェック対象(常時50人以上の事業場は義務)
- オンラインでの実施が可能(PC・スマホで場所を問わず回答)
- 面接指導もオンラインで実施可能(厚労省通達で認可)
- 80項目版以上でテレワーク特有のストレスを詳細把握(職場の一体感、上司のリーダーシップ等)
- 集団分析で課題を可視化し、職場環境改善につなげる
テレワークは働き方の選択肢を広げる一方で、孤立感やコミュニケーション不足など特有のストレス要因を生みます。ストレスチェック制度を活用し、在宅勤務者のメンタルヘルス対策を推進しましょう。
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MentalMapは、テレワーク環境でもストレスチェックを効率的に実施できるクラウドサービスです。
オンライン完結
- PC・スマートフォン両対応で場所を問わず回答可能
- 在宅勤務者も自宅から回答・結果確認
80項目版対応
- テレワーク関連尺度(職場の一体感、上司のリーダーシップ等)を測定
- 57項目・80項目・120項目・141項目すべてに対応
オンライン面接指導対応
- ビデオ通話での面接指導に対応した運用フロー
- 面接指導記録の管理・5年間保存
基本料金0円、500円/回答
- 小規模事業場でも導入しやすい料金体系
多言語対応
- 12言語に対応(追加料金なし)
- 外国籍のテレワーク従業員も母国語で回答可能
参考文献・出典
よくある質問
A. はい、対象です。ストレスチェック制度は勤務形態に関係なく、常時50人以上の事業場に実施義務があります。テレワーク従業員も含めて年1回のストレスチェックを実施する必要があります。
A. はい、可能です。厚生労働省の通達「情報通信機器を用いた面接指導の実施について」(2020年11月)により、ビデオ通話等を使用したオンライン面接指導が認められています。双方向で映像・音声が確認できる環境であれば、自宅からでも面接指導を受けられます。
A. 80項目版以上をおすすめします。80項目版以上では「職場の一体感」「ワーク・エンゲージメント」「上司のリーダーシップ」など、テレワーク環境での孤立感やコミュニケーション不足を詳細に把握できる尺度が追加されます。
A. 「テレワーク vs オフィス勤務」「テレワーク頻度別」「部署別」などの切り口で比較分析することが有効です。特に「上司のサポート」「同僚のサポート」「職場の一体感」の尺度に着目し、テレワーク従業員で低下していないかを確認しましょう。
A. 1on1ミーティングの定期実施、オンライン雑談タイムの設定、チームミーティング頻度の増加、バーチャルオフィスの導入などが有効です。集団分析で「職場の一体感」「同僚のサポート」が低い場合は、コミュニケーション機会の意図的な創出を検討してください。
A. セルフケア(ストレスへの気づきと対処)、ラインによるケア(上司による部下の観察・相談対応)、事業場内産業保健スタッフによるケア(産業医・保健師等による支援)、事業場外資源によるケア(外部EAP・専門機関の活用)の4つです。テレワーク環境では特に「ラインによるケア」が難しくなるため、オンラインでの1on1や相談体制の整備が重要です。
